変えられるもの。変えられないもの。
<安藤亘の1分間カウンセリング 27年5月>
Q.高齢者のホームヘルパーをしているG子(45歳)です。事業所に、上から目線で何でも一方的に決めつけた言い方をする上司(B氏:54歳)がいます。朝と夕方、全体でのミーティングでこのB氏と顔を合わせるのですが、訪問先で困ったことがあって相談しても悪いところ探しをされ、指摘されるだけで相談にならず、日々悩むことが多く困っています。どうしたらこの上司(B氏)を変えることができますか?(G子)
A.「悩み事がありますか?」そう聞かれて「ない」と答える人はいないでしょう。では「その悩みは身近な人間関係の悩みではありませんか?」こう聞かれると「そうそう、その通りです」という方がほとんどではないでしょうか。全ての人は自分の視点や価値観で行動していますから、自分の思い通りにいかず摩擦も生じます。人間関係に悩むことは自然なことです。
今回は自分の感情をコントロールして、他者との関係を円滑に保つためのちょっとしたコツを紹介します。私たちは日々(意識、無意識両面で)、結構いろいろなことを線引きしていています。そのひとつに「変えられるもの」と「変えられないもの」を分ける線があります。私たちは「変えられるもの」にはイライラしやすく「変えられないもの」には、さほどイライラしません。交通渋滞にどれくらいイライラしますか?朝や夕方、渋滞にはまってしまうとさすがにうんざりですが、そのことで一日中イライラし続ける人はいません。あなたは渋滞を変えられないことを知っているからです。つまり渋滞は「変えられないもの」。では家族や職場の同僚はどうでしょう。おそらく家族や職場の同僚など身近な人に強くイライラしてしまうのではないでしょうか。あなたは心のどこかで身近な人は何とか変えられる、言えばどうにかできると思っているから。自分が「変えられる」と思うか「変えられない」と思うか。それによって自分の気持ちのイライラが決まります。「今日の天気」「通勤電車の込み具合」「交通渋滞」「配偶者(夫または妻)」「親」「友人」「職場の上司(先輩)」「職場の同僚」「職場の部下(後輩)「自分自身」、あなたはどのように仕分け(線引き)しますか。
自分の感情をコントロールして、変えられないもの(「自分自身」以外)に無駄なエネルギーを費やさず、変えられるもの(「自分自身」のみ)に一生懸命向き合って、変えていくために努力しましょう。
日々の生活で「変えられるもの」と「変えられないもの」、いま一度立ち止まって仕分けしてみませんか。