自分と向き合う
<安藤亘の1分間カウンセリング その4>
Q.ある高齢者の入所施設でフロアリーダーを任されているD子(35歳)です。職場で若い職員に何度も同じことを説明しないといけない場面が多くストレスが溜まります。先日ストレス対策の研修で、椅子をバスタオルで叩きながら思いつく言葉を大声で叫ぶという方法をレクチャーされました。確かにすっきりしますが、人目のある所ではできませんし、相手との対話で気分を害したその時に切り替える方法としても使えません。何か良い方法はありませんか。(D子)
A.30代でリーダーを任されているD子さんは、おそらく責任を持って抱え込んで仕事をこなしていくタイプなのでしょうね。ご相談内容からもそんな様子がうかがえました。自分がリーダーになる前は自分が自分のことをしっかりとしていれば評価されましたが、リーダーとなるとみんなが生きいきと働きやすく、仕事の質や効率も高く、等々自分だけではなく周囲のチームメンバーの働きぶりもD子さんの評価につながりますので、なかなかご苦労が絶えないと思います。
さてご質問へのお答えですが、そんな魔法のような方法があるわけないのですが、工夫点として3点以下お話しさせていただきます。
1点目、怒りを感じたとき、自分の怒り度合(レベル)を5段階で評価する。これは「主観」を「客観」に変える、ということで、感情のコントロール法として有効とされています。例えば「私の今の怒りはレベル4だ!」と。主観から客観へ捉え直すことで、怒りの感情は滞らず流れていきます。(ちなみにレベル5は殺したいくらいの激怒)
2点目、頭の中で無意味に数字を数える。現在捉われている視点や状況、とらわれ(不安や怒り等不快な感情)から解放されます。
3点目、自らの未熟さに気づく。先ほどの二つは、対処療法であって、怒りの気持ちを抑えるものですが、三つ目は自分自身と向き合うという一番難しいものですが、そもそも怒るという感情が起こりにくくなります。自分の懐が大きく深くなると言ったらよいでしょうか。自己成長の糧とするわけです。例えば「戦時中の人たちはもっと辛かったはず。私の苦労なんて昔の人と比べたらおそらく何十分の一くらいの小ささだろう」または「これくらいのことでイライラするなんて、私は何て心の狭いちいさな人間なんだ」と自覚する。
やりやすいものから始めてみて下さい。まずは行動あるのみ。そして、貴重な人生の一日が心穏やかな充実した一日となりますこと、期待しております。