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VOL.79
2015. 1月15日

WAIWAIBOX

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I am OK! You are OK!

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング その3>


Q.障害者施設に勤務しているC子(40歳)です。職場では中堅職員としてメンタル不全で休みがちな職員のフォローや、文句は多いが動きのよくない後輩への対応を任されています。誰からも感謝されることもありません。いつもイライラしていて家で家族にも八つ当たりしてしまい、結果自己嫌悪に陥る悪環境。どうしたらよいのでしょうか。(C子)


A.仕事でもプライベートでも「やってあたり前」になっているご様子。辛抱強く、いやな顔をみせずに頑張っているC子さんに、周囲はすっかり甘えてしまっているのかもしれませんね。


 感謝されず、認められず、イライラが募ってしまっている時は「自分で自分をほめたい」そう心の中で思ってみては。じつはこれは、オリンピックの大舞台で見事3位に入賞し、銅メダルを獲得した有森裕子さんの言葉です。自分自身に対して「I am OK!」こんなふうに言えなければ、他者に対してもゆとりが生まれませんから「You are OK!」とは言えないはず。まずは完璧でない自分自身を許し、認めて自分が自身の最良の理解者となってください。何か迷った時には、自分の都合を優先し、少しわがままぐらいがちょうど良いかもしれません。 

そしてC子さんのように人のケアをする福祉関係の仕事をされている方と接していると、共通した特徴があることに気がつきます。基本的に真面目、几帳面、いいかげんにできない、他者に配慮し気をつかう、人間関係を大切にする等のタイプの方が多い実感があります。 


・真面目⇒抱え込んで仕事をしてしまう

・几帳面⇒完璧を求め、自分が疲れてしまうまで仕事をしてしまう

・いいかげんにできない⇒状況を深刻に捉え過ぎてしまう

・他者に配慮し気をつかう⇒他者の影響を受けやすく気疲れしやすい

・人間関係を大切にする⇒人間関係に巻き込まれやすく悩みがち 

⇒(矢印)の左側は紛れもなく「長所」ですが、行き過ぎると右側のようにストレスをため込むことに。 


C子さんの場合は、周囲の期待に応えすぎて、自分のことを後回しにしていたのかもしれません。結果、C子さんの良さ(長所)が度を超して(短所)になり、ストレスをため込んでいたのではないでしょうか。


 ここで注意したいのは短所を消そうとしないこと。
「長所」と「短所」は裏腹(表裏一体)の関係です。
自分の短所(悪いところ)をなくすと、長所(良いところ)も消えてしまいます。長所も度を超せば短所となり自分自身を苦しめることになりますが、結局は程度の問題です。上手にブレーキを踏んで行き過ぎに注意することができれば、皆さんの持ち味は「長所」が生かされやすくなります。やっぱり何事も「ほどほど」ですね。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.79
発行日:2015年1月15日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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