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VOL.74
2014. 12月10日

WAIWAIBOX

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苦手な相手は自分が創り出している!?

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング その2>

Q.高齢者入所施設で介護の仕事をしています。同僚に早口でまくし立てるように話し、はっきりズケズケとものを言う人がいて、日々ストレスです。職場の人間関係の悩みはどうしたら消えますか?(B子)

A.私は普段、福祉関係職場の職員の方々の相談を お受けしているのですが、その内容のほとんどが職場の人間関係に絡む問題であることが多いという実感があります。


 「人間関係」という言葉は便利でよく使われますが、いささか抽象的すぎますね。「人間関係に悩んでいる」という人は、相手が悪いというニュアンスをもっていることが多いです。話の中に大抵「悪者」が登場します。その悪者に日々苦しめられている、と。しかし、いろんな人がいるのがそもそも普通の社会ですし、それぞれ自分が主人公の人生を生きているわけですから、人生劇場に基本的には悪者は存在しません。視点を変えるとまた違った形の「正義」であることも多いのです。

つまり、B子さんの職場で合わない人は、白黒はっきりものを言うタイプ。そういう人はお腹にはため込まず、裏表があまりありません。リーダーシップもあってテキパキ仕事をこなすという長所も持っているのでは。


一方、B子さんはその相手の方とは真逆の性格で、他者に対して受容・共感的で、争い事は嫌い。柔軟で、はっきり言うよりも遠回しに伝えて相手に気付いてほしい、わかって欲しいというタイプではないでしょうか。


逆に言うと(相手からすれば)優柔不断で本音が見えづらい、言いたいことや意見をはっきり言わない、わかりにくいタイプと思われているかもしれません。


無人島でひとりという状況で人間関係に悩むひとは いません。「人間関係」は、必ず「自分」と「誰か(相手、他者)」との関係によって形成されるもので、人間関係 の摩擦には必ず自分もその原因に含まれます。


B子さんは、自分とはコミュニケーションパターンの大きく異なる(真逆な)人が苦手ということになります。「苦手意識(苦手な相手)は、実は自分が創り出している」ということに気付いたら、今度は違うタイプの人にどのように接したら良いか見えてきたのではないでしょうか。


まずは相手のパターンに乗ってみる、B子さんであれば、苦手なはっきり言うタイプに対しては、遠回しに言わず、「私」を主語にして自分の意見や気持ちをきちんと相手に伝えるようにすることがよりよい関係づくりのためには必要な技術です。現場での今後のご活躍、期待しております!

 







 






ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.74
発行日:2014年12月10日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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