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VOL.255
2026. 5月29日

WAIWAIBOX

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自分にOK!

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 8年5月>

Q.介護の仕事に就いて20年。利用者さんの笑顔が好きで始めた仕事で、やりがいを感じていた頃の自分も確かにいました。でも最近、ふとした時にため息が増えたような気がします。昔よりも介護度が高くならないと入所できなくなっているので、在園期間も短く、すぐにお別れしてしまう利用者さんも。ふとした瞬間に「長く続けてきた仕事だけど…」と、そんな思いが頭をよぎります。
 (I子:47歳)

A. I子さん、20年間、本当によく歩き続けてこられました。ため息が増えてきたとのこと。それはI子さんが積み重ねてきた年月の重さが、正直に表れているサインかもしれません。

 福祉の仕事は、技術だけでなく姿勢が問われる仕事です。揺れる自分自身の「心」を何とか立て直し、仕事と向き合う日々。

利用者さんの不安や悲しみ、時には怒りも受け止めながら、自分の感情は後回し。責任感が強い人ほど、その繰り返しのなかで限界に気づかないまま走り続けてしまいます。

 I子さんが感じている「つらさ」は、弱さではなく、長年にわたって誠実に仕事と向き合ってきた証。おそらく「好き」だからこそ続けて来られた仕事なのでは。

 さて、I子さんが最後に「疲れた」と口にできたのは、いつだったでしょう。心理学者のカール・ロジャースは「自分を受け入れたとき、人は変わり始める」と語っています。

 疲れているとき、人は「できなかったこと」ばかりが目に入ります。まず大切なのは「つらい」と感じている自分を、そのまま認めること。そして「できなかったこと」ではなく、今日「できたこと」に意識を向けてみましょう。ひとつだけでOK。たとえ小さなことでも「今日できたこと」は、ちゃんとあります。

 ・利用者さんの話を途中で遮らず、最後まで聞いた
 ・忙しくても同僚に「お疲れさま」と声をかけた
 ・今日も休まず出勤し、記録をつけ、一日を終えた

 福祉現場の仕事は“作業”ではなく、誰かの日常を“支え”た、大切な一日です。

 「自分自身を大切にしない人は、他の人を大切にすることができない」(フロレンス・ナイチンゲール)支える人が、まず自分自身を支える。信頼できる同僚に話す、少し休む、誰かに頼る。それは甘えではなく、長く仕事を続けるための、最も大切な力です。

 まずは今日ここまで頑張った自分に「今日もよくやった」と自分にOKを出す。自分にOK(I am OK)が出せれば、ゆとりが生まれ、自然と相手(利用者さんや仲間)にもOK(You are OK)が届きます。自分を大切にできた分だけ、人にもやさしくなれるはずですから。

 好きだからこそ続けることができる仕事。自分自身の辛さ、思い出したくない過去等の経験は、人のためには生かすことが可能です。それが「福祉」の仕事の魅力です。

 そして「自分自身」が資本。だからこそ、心身ともに健やかでいることが大切です。

 「今日も、本当によくやった」――そのひと言を、まず自分自身に。

 同じ時代を生きるものとして、応援しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.255
発行日:2026年5月29日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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