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VOL.254
2026. 4月24日

WAIWAIBOX

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自分にしかできないこと…?

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 8年4月>

Q.高齢者入所施設に入職して5年目。最近、若手職員の不平不満の多さに苦慮しています。「有給休暇が取得しづらい」「マニュアルがない」「上司が頼りにならない」等々。会議の席では意見を言わず、裏で特定の職員や利用者への悪口。聞いているだけでウンザリです。職員の不平不満をなくすには? 
(H織:29歳)

A. ご相談ありがとうございます。“不平不満”は、「本当はこうしたい」「こうすればもっと良い支援ができるのに」という思いの裏返し。そう捉えることができれば、理想と現実とのギャップがみえてきます。そしてそのギャップこそが、職場の“課題”なのでしょう。

 ところで、H織さんは“自分にしかできないこと”があると考えたことはありますか?

 後輩が話してくれることが単なる愚痴レベルの話なのか、本音から出たものなのかを丁寧に見極める。そしてそれらを整理し、何ができるかを言葉にする手助けをする。上司に相談してみる。そうした関りも、H織さんにできる大切な役割の一つかもしれません。

 そして、おそらくどの職場に“変えたいこと”はたくさんあります。働き方、職場環境、人間関係…。

 ロシアの思想トルストイは「世界を変えようとする人は多いが、自分を変えようとする人は少ない」という言葉を残しています。

 社会や組織の課題を前にすると、つい周囲を変えたくなるものです。しかしそんなときこそ大切なのは「今、自分にできることは何か」という自分への問いかけではないでしょうか。

 スポーツクラブでは、入会した人が100人いても、半年後に通い続けている人は半分にも満たないと言われています。

 始めることは、意外と簡単です。しかし続けることは難しい。組織を変えることも同じなのかもしれません。大きな理想を語ることよりも、自分の小さな行動を続けていくことのほうが、実は難しいのです。

例えば、忙しい時でも「ひと呼吸置ける心のゆとり」を持つこと。今日誰かにひとこと声をかける。同僚の仕事に少し手を貸す。目の前の利用者や職員と丁寧に向き合う。

そして会議の席では、勇気を出してひと言発言してみる。新入職員であれば「入職したばかりで見当違いかもしれませんが…」そんな前置きでも構いません。「私はこう思います」と、自分の考えを言葉にしてみることです。

 そうした小さな行動が、単なる“不平不満”を前向きな“改善案”へと変えていきます。

 後輩たちは歳の近い先輩の姿を思っている以上によく観ています。H織さん、まずはご自身がそうした小さな行動を重ね、背中で示していくことが大切なのかもしれません。

 一つひとつは小さなことかもしれません。けれど、その積み重ねが社会(組織)を少しずつ変えていきます。ちょうど湖に小石を落としたときの波紋のように、その影響は静かに広がっていくことでしょう。

 4月は、新しい年度が始まる季節。理想を一度に実現する月ではなく、新しい種をまく季節です。

 社会や組織を変えようとする前に、まず「今、自分にできること」をひとつ。その小さな一歩が、きっと周りの誰かの力になっていくはずです。

 応援しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.254
発行日:2026年4月24日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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