リーダーとは…

<安藤亘の1分間カウンセリング 8年1月>
Q.障害者支援施設で働いて4年目になります。前職は営業職で、福祉は未経験からのスタートでした。現在は小さな生活支援グループのリーダーを任されています。利用者支援には少しずつ自信がついてきましたが、最近は人をまとめることの難しさを感じています。年上の先輩職員からは「リーダーなんだから、もっとはっきり言わないと」と言われ、後輩からは「上の人の顔色を見ているように感じる」と言われることも。自分なりにバランスを取っているつもりですが「このやり方でよいのか」「中途半端なのではないか」と不安になることがあります。リーダーとして、どんな姿勢でいれば…
(E治・29歳)
A. 4年目でリーダーを任される時期は、期待される一方で、最も揺れやすい時期でもあります。とくに前職で「成果」や「判断力」を求められてきた人ほど、福祉現場での立ち位置に迷いやすくなります。
ここで、老子の言葉をひとつ紹介します。「上善は水のごとし。水は万物を利して争わず」水は前に出て主張しませんが、気づけば全体を支え、流れを整えています。
年上と後輩、両方の声が聞こえるのは弱さではありません。視野が広がり、関係性全体を見渡せるようになってきた証拠です。
リーダーの役割は、「正解」や「答え」を出す人ではなく、「どうすれば支援しやすくなるか」「このやり方、別の見方はないかな」「どうすればチームが無理なく動きやすくなるか」という問いを、ひとりで抱え込まず共有し続けること。こうした問いを投げかけ続けることで、チームは少しずつ「考える集団」になっていきます。
老子は、こんな言葉も残しています。「為さずして治まる(無為而治)」何もしない、という意味ではありません。支配しない、やりすぎない、そして信頼して任せること、それもまた場を整える知恵です。
勢いだけでは進めず、経験だけで割り切ることもできない。だからこそ、人の気持ちや関係性に目が向くようになる。
どうか、今の自分を責めないでくださいね。あなたの「迷い」は、チームにとっての必要な余白、いわば「伸びしろ」でもあります。
水のように、静かに。それでいて、確かに支えている。そんなリーダーが、福祉現場には欠かせません。
E治さんの“これから”を、心から応援しています。





