「比較」は必要?

<安藤亘の1分間カウンセリング 7年10月>
Q.34歳独身。高齢者支援の複合施設でデイケア担当のリーダーとして働いています。入職から10年、中間管理職となりましたが、人手不足でシフト調整や新人指導に追われる日々。上からは数値(ノルマ)を求められ、現場からは「利用者第一!」の板挟み。精神的に疲弊し、休みの日も仕事を引きずってしまいます。同期や友人は家庭を持ち始め、自分のキャリアや生活とのバランスにも悩んでいます。
(B治・34歳)
A. ご相談を拝見しました。34歳という大切な時期に、福祉現場の部門リーダーとして日々奮闘されているB治さんの真摯で誠実な姿が目に浮かびます。
同時に上からは数値や効率化を求められる。その板挟みの苦しさは、実際同じ立場に立ってみないとわからないでしょう。
特に中間管理職という役割は、上層部にとっては「数字や制度を熟知し職員を束ねる存在」であり、現場職員にとっては「一番近くで支えてくれる頼りになる相談役」。
人手不足の中でその両方を一人で抱え込もうとすると、どうしても疲弊しがちになってしまう。
心理学者アドラーは「人は他者のために生きるが、そのためにはまず自分自身を大切にする勇気が必要だ」と説いています。
休みの日は意識的に仕事から距離を置き、味わいながら季節のものを食べ、体を動かす。すきな音楽を聴き、親しい人と過ごす等自分のペースで好きなことをしたり、スパやサウナでリフレッシュしたりする時間や空間を。
人生の歩みを人と比較する必要はありません。人と比較すると、いつまでたっても心の安住の地は訪れないでしょう。
他者と比較することなく、ただただ自分の足元をみて一歩いっぽ、歩みを続けていきましょう。
これからのキャリアについては、様々な状況を想定し、備えることも大切かもしれません。福祉に関する資格を取得すると、給与アップや転職のしやすさにもつながるでしょう。
上司や先輩たちも通ってきた道かもしれません。信頼できる上司や先輩、同僚、あるいは外部のキャリア相談機関の専門家に相談されてみては。
「語ること」で頭の中のもやもやが整理され、課題が明確になり、どこから手を付ければよいか道筋が見えることも多くあります。
最後に。B治さんが幸せになって、不幸になる人はひとりもいません。ぜひ全力で幸せになる(日々小さなことに幸せやよろこびを感じる)ために、努力と工夫をされてくださいね。
B治さんの今後に期待と応援をしております。





