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VOL.240
2025. 2月28日

WAIWAIBOX

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心の網の目…?

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 7年2月>

Q.高齢者の入所施設(特別養護老人ホーム)で介護の仕事をするようになって4年目。現在独身で、職場から車で20分くらいのところで一人暮らしをしています。相談したいのは、仕事をしていく中で、日々いろいろな出来事が生じて、その都度気持ちが浮き沈み。特に嫌なことがあった時はへこんで家に帰っても引きずり、クヨクヨしてしまいます。自分の感情に振り回されない方法はありますか?良い支援を展開したいのに、未熟な自分が歯痒いです。
(T華:33歳)

A.T華さん、ご相談ありがとうございます。頑張っていますね。おそらく目標があって、日々自らの仕事(支援、働きぶり)の振り返りがある。謙虚で感謝のある日々を送っていらっしゃることが伝わってまいりました。以下、「心の網の目」と「気持ちの“浮き沈み”」の話をさせていただきます。

 現代は“目標”がなくて“感謝”もない、したがって“悩み”がない、ないないづくしの日々を送っている方がほとんどでは。

 T華さんは繊細だからこそ、福祉現場でご利用者の声なき声(潜在的なニーズ)に気づくことのできる方なのだと受け止めました。

 「心の網の目」が細かいと、網の目にいろいろなことが引っ掛かります。いろいろなことに気づき、傷つき、悩む。

 逆に現代はザルの(網の目が粗い)人の方が生きやすい時代なのかもしれませんね。情報過多の時代、右から左へ受け流す。深く悩まず、立ち止まったり振り返ったりしない。人を傷つけても傷つけたことに気づかない。

 つまり繊細な人、流せない人、人の変化に気づける人は生きにくい社会かもしれません。T華さんはザルの人のようになりたいでしょうか?

 さて、どんな人にも、気持ちは必ず「浮き沈み」があります。気持ちに支配されない生活を意識されることが肝要です。気持ちがどうあれ、行動を変えない。休み明け(月〜金の勤務であれば月曜日)、仕事に行くのが億劫であっても、とりあえず出勤すれば次第に気持ちが後から追いついてきます。

 忙しい時に急な変化(休暇も含め)はストレスになります。おそらく家にいても仕事が気になったり、休んでいても急に不安になったりしないでしょうか。

 人はストレスをなくすことはできません。またメンタルを強くすることは難しく、できるのは、その反応の仕方(ストレス対処の方法、受け止め方)のみ。

 休日に職場から業務関連の連絡がある立場の方、緊急対応が必要な部署等に所属されている方は、年単位の疲れを解消することを意識されてみてください。ちなみに年単位の疲れは、まとまった休みをとらないと軽減しません。ゴールデンウィーク、夏休み、年末年始等々、1週間ずつ連続した休みにしたいものです。

 それ以外にも有休をとるなら、思い切って金曜日と月曜日にとって、4日間の連続した休みにする。その方が頭もスッキリしますし、モチベーションも持続します。

 自分や家族、周りの人を幸せにする(大事なものを守る)ためには、まずは自分自身が、他者に対して感情的に反応しないようにひと呼吸おくことができる“心のゆとり”を持つことが何より大切です。そのためには、自分にやさしく。時に嫌われる勇気も必要かもしれませんね。

 T華さんの今後を応援しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.240
発行日:2025年2月28日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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