ひと呼吸おけるということ
<安藤亘の1分間カウンセリング 6年12月>
Q.私は現在、ある社会福祉法人の高齢者事業所(通所部門)のケアマネジャーをしています。とにかく受持ち担当者数が多く、良い仕事をしようと思ってもなかなかできていないのが悩みです。丁寧にご家族のニーズを受けとめ、本人のご要望を聴き取る。基本中の基本と考えてはいますが、どうしてもご家族の意向に流されがちで、私自身これでいいのか?と悩みつつ仕事を続けています。自分自身の家庭は、夫と子ども一人。10歳(女の子:小学4年生)で、なかなか難しい年ごろ。仕事も家庭も、どうも中途半端な気がして、日々モヤモヤしています。
(R美:40歳)
A.R美さん、日々悩みながら仕事に家庭に、大忙しのご様子。身体はひとつしかないので、どちらも完璧にこなすのはまず不可能でしょうし、そもそも今の状況では無理があるのが自然なことなのでは。
人は悩みがあり、日々の振り返りがあるからこそ成長します。R美さんの伸びしろは無限大ですね。
さてまずお仕事面ですが、ケアマネという仕事はご利用者の大事な老年期(最終局面)の、いわば「演出家」です。プレッシャーをかけるつもりはありませんが、おそらく事実でしょう。ケアマネの力量でそのご利用者の人生の色合いが変わる大事なお仕事。
R美さんが現在の仕事をプライドとモチベーションを持って続けていくためには、自分自身がある程度納得いく仕事を続けることが何より大切なことであると思います。
つまり、ひと呼吸おける自分自身の「こころのゆとり」が何より大切であるということ。自分自身を大切にできない人が、良い仕事をしている姿を私はみたことがありません。
子育て、仕事(職場で中堅の働き盛り)と、自分自身が後まわしになってしまう時期は誰しもあるかと思います。とはいえ、そのような状況でも、まずは自分自身にやさしく。5分長くお風呂に入るとか、コンビニで自分にご褒美のスイーツを買って食べるとか、夜10分早く寝て10分早く起き、好きな短編小説を読む、とか… そんなに時間はかかりません。ひと工夫。
手を抜ける家事は手を抜いてみて下さい。じつは我が家もその年によって忙しさの波が異なるので、どうにもならない時は地元のシルバー人材センターや事業所に、水回り(お風呂とかキッチンのコンロ周辺)等、大掃除をお願いすることがあります。
「大掃除は、今年は年が明けてからでいいよね!」と言って何年大した大掃除をせずに過ごしたことか(自戒をこめて…)。
そして、子どもの脳の発達は大体10歳で成人量に到達し、善悪の判断ができるようになる、ということです。つまり、小学4年生になったらそろそろ大人扱いするよう、手をかけ過ぎず見守ることを意識しても良いかもしれませんね。子どもが自分でできるようになっているのに、親がいつまでもやってしまうと、結果できない人になってしまいますから。
R美さん、中堅職員として職場から、また家庭からも多くの期待や役割を担っていることでしょう。でも、誰の人生でもありません。自分自身の人生の貴重な1日「今」を楽しみながら、日々を過ごされてくださいね。
応援しています。