あせらず、一つひとつ
<安藤亘の1分間カウンセリング 6年10月>
Q.地元の福祉系専門学校を卒業。卒業時福祉現場もいくつか見て回ったのですが、コロナの最中ということもあり福祉現場の息苦しさに断念。バイトでつなぎ、やはり福祉現場で働きたいと思い転職し、現在(今年4月〜)障害者支援施設に勤務しています。最近の悩みは、このままで良いのか、ということ。現場の仕事は風通しが悪く、息苦しく感じます。転職もちらほら考えています。
(P太:25歳)
A.P太さん、ご相談ありがとうございます。P太さんのおっしゃる「息苦しさ」や「風通しが悪い」って、具体的にどんな感じでしょう?推察するに「風通しが良い」は「仕事以外のちょっとしたコミュニケーションが豊富」と言い換えることができます。P太さんが感じている息苦しさや風通しの悪さは、かなり多くの福祉現場職員が抱えているものでは。
まず、そもそも日本全体の風通し自体が悪いかもしれませんね。物価や税金は上がる一方。銀行にお金を預けても、ひところのように預貯金は増えない。かといって給与が目に見えて上がる気配もない。
では有給休暇は取れるのか。福祉現場は慢性的な人手不足なところが多く、休みも取れないところがほとんどです。
ないないづくしで、働くこと、いや今後の人生そのものに息苦しさを感じるのも、むしろ当たり前のことかもしれません。
福祉の仕事は、何かを売る仕事ではないので手が抜けず大変とは思いますが、だからこそ「これで完璧」というものはなく、終わりがない。自分が成長し続けないといけない奥深く魅力的な仕事と思います。
自分自身の心身の健康が何よりの資源。まずは受け身から主体へ。選挙ヘは必ず行くようにしましょう。「私が一票入れたからと言ってその人が当選するわけもなく、何も変わらないから行かない」という人は、今の社会に不平不満を言ってはいけません。何故なら参加すらせず人任せにしているから。
他者の批評、批判、そして「どうせ〜」とか「無理〜」と言っている段階では、何も変わりません。
職場に対して、組織の在り方に主体的に意見を言ってみましょう。若い職員の意見は通らないかもしれません。しかし意見を言うと、不思議なことに組織の中に自分の「居場所」をつくるきっかけになります。
もし、会議の席で何も言わないのであれば、その意見を自分も全て100%合意したことになります。
P太さんが「ちょっと違うのでは?こうした方が良いのでは?」と思うのであれば勇気をもって、発言されてください。そうした姿勢が評価されないのであれば、転職を考えても良いかもしれません。
職場でいちばん立場の弱い人が生きいきしている職場が健康的な職場であると言います。暮らし(街)であれば、高齢者や障害のある人、小さな子どもが生きいきと暮らしやすい街は(本当の意味で文明度が高く)誰にとっても暮らしやすい街。
あせる必要はありません、ぼちぼち、一つひとつ。楽しみながら、成長されていかれてくださいね。
P太さん、勇気を出して一歩踏み出してみましょう。陰ながら応援しております!