我慢するのは私だけ…?
<安藤亘の1分間カウンセリング 6年7月>
Q.高校を卒業し、地元の事務系の仕事を。福祉系専門学校に入り直し、卒業後高齢者入所施設で介護職員として勤務。出産育児休暇後、同法人内の別部署へ異動となり、現在の障害者支援施設(通所・入所)で生活支援員として10年目。現在係長(中間管理職)を務めています。管理職と一般職の間に挟まれ、日々やり辛さやストレスを感じています。下の人は好き勝手言い、上の人は表に出ず「何とかしろ」と言うのみ。私さえ我慢すれば良いのでしょうか。
(М穂:46歳)
A.細かな状況の違いこそあれ、現場の中間管理職として、多かれ少なかれ上司と部下の間に挟まれて、М穂さんと同じように苦労されていらっしゃる方も多いのでは。
中間管理職は、管理監督者のようであってそうでない、現場の一般職員のようであってそうでない中途半端な立ち位置で、つまりどちらも守ってくれない「孤立」しやすい立ち位置です。
ご相談内容を何度も何度も読み返してみました。「下も上も私に好きなこと言う。できることとできないことがあるし、第一人は変えられない。一日中、人の愚痴を聞くために生まれてきた訳じゃねえ〜よ!」という叫びが聞こえてきそうな内容でした。
本当に叫んでも良いですが、それは最終手段。意図的に(М穂さんが有利になるように)上手く立ち回りましょう。
職場の理不尽とさえ思える悪しき構造は、長年かけて形成されてきたものでしょう。言ってみれば“文化”。一気に変えることはなかなか難しいことは確かです。しかし、そんな時こそ、ピンチをチャンスに変えてみましょう。
たとえば“より良い職場づくりのためのアンケート調査”を行って、一人ひとりの職員が何を感じ考え求めているのかを見える化し、その結果を全職員にフィードバックする。そして皆で「自分一人でも改善できること」と「組織の力を借りないとできないこと」に分け、皆でできることから取り組んでいく。
さらに会議では全員ひと言発言するようルール化する。また、裏で愚痴や他人の悪口を言わせない。つまりオープンに表のコミュニケーションへと移行していきます。
「働きやすい職場」はМ穂さんはじめ、全ての職員が求めていること。抱え込まず、自分ごととして皆で考えていく「場」をつくるのです。
職場の環境は誰かが改善してくれるものではありません。職場の一員である一人ひとりが日々意識して努力して実現されていくもの。
工夫できることは、まだまだたくさんあるのではないでしょうか。
受け身から主体へ。そしてネガティブコミュニケーションからポジティブコミュニケーションへ。
今回の回答で何かに気付いたら、М穂さんご自身が、まずは小さな一歩を踏み出してみてください。
М穂さんが一歩踏み出す勇気を応援しています。