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VOL.232
2024. 6月28日

WAIWAIBOX

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小さな一歩

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 6年6月>

Q.保育園に勤務。高校を卒業後、事務系の仕事をしていたのですが、一念発起。通信で保育士の資格を取得して保育現場へ。私は保育士の仕事を始めてまだ5年目くらいなのですが、20年、30年と長年保育士をやってきたベテランも数名いて、20代の若手との溝が大きくて困っています。ベテランは事務所で若い保育士の悪口が多く、園長も聞こえているはずなのに何も言いません。会議でも若手は発言しません。何とかならないでしょうか。
(L美:34歳)

A.L美さんの状況ですが、保育所では“あるある”なのではないでしょうか。

 ご相談を何度も読み返しました。「心配しているけれども、何もしてあげられない」「少し上の先輩として、何か私にできることはないだろうか」と悩んでこの欄にご相談してくださったものと拝読致しました。

 そうですね。長い年配の非常勤の保育士さんの方が入職したての正規の常勤職員よりも仕事ができ、若手が小さくなっている状況も想像されます。

 そうした構造は、長年かけて形成されてきたものでしょうから、一気に変えることはなかなか難しいことは確かでしょう。しかし、あきらめてはいけません。

 ピンチをチャンスに。そんな時こそ、職場のコミュニケーションのあり方を見直し、工夫する絶好の機会です。

 若手職員が少しでも職場で主体的になれるよう声かけをする、話しかける。最初はつれない態度をされるかもしれませんが、北風と太陽です。じっくり見守っていきましょう。

 また、会議の席ではL美さんがまずは発言、意見を言う。そして「○○さんはどう思う?」と若手にふる、バトンをつなぐ。

 発言するということは、単に自分の意見を述べるというわけではなく、仕事や職場環境に対して積極的に働きかける主体的な行動で、職場に「居場所」をつくる大事な行為なのです。

 L美さん、職場の雰囲気は誰かが改善してくれるものではありません。職員の一員であるあなたが、職場の課題に気付いた人が変えていくもの。まだまだ職場のコミュニケーションで自分自身が工夫できることは、たくさんあるのではないでしょうか。

 受け身から主体へ。そして考えるよりまず行動すべし。頭の中で考えていても行動が変わらなければ何も変わりません。現状維持を肯定していることと同じです。

 今自分にできることは何なのか、常に考え具体的な小さな一歩を踏み出してみてください。

 L美さんが一歩踏み出す勇気を応援しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.232
発行日:2024年6月28日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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