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VOL.231
2024. 5月31日

WAIWAIBOX

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あたらしい扉

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 6年5月>

Q.放課後等デイサービス(障害や発達に特性のあるお子さまをサポートする通所施設)で今年の4月から働いています。専門学校を卒業してから、ずっと高齢者領域で仕事してきたのですが、最近は介護度が重くならないと入所できず、在園期間が短くて、すぐお別れしないといけない状況が続くとつらくて…。現在の主に障害児を対象としたサービスの仕事へ転職しました。やはり隣の芝生で、高齢者福祉の仕事に未練があります。私は何をしたいのやら。今後の人生を憂い、悩みながら日々過ごす毎日です。
(K子:40歳)

A.K子さんの状況、伝わってまいりました。隣の芝生と言いますが、まあどのような状況でも常に付きまといますね。

 とはいえ放課後等デイサービス勤務ですと、日常の夕方や土日、春・夏・冬休み等がお忙しいのでしょうか。ひと昔前とは異なり、現在親は共働き家庭が主流となっていますから、保護者の方たちにとっては心強いサービスであり、職員の方は頼もしい存在ですよね。

 さて、突然ですが、私の友人(仮:Aさん)で80代の女性の方の話をします。かつての私の講座受講者ですので、いつも「先生、先生」と。人生の先輩に、恐縮次第です。

 その方は、70代で社会福祉士、すぐに精神保健福祉士を取得され、精神障害者のグループホームの世話人(非常勤)になられました。人間的魅力満載の方なのです。精神保健福祉士の通信課程の面接時、長所を聴かれ「私は自分の可能性を信じています!」と話されたそうです。もし貴方が試験官だったら、Aさんを落とせますか?

 Aさんはその後、グループホームの仕事はほぼほぼ朝一から13時くらいまで。そのため、放課後等デイサービスの仕事も掛け持ちでやられるようになりました。

 少し遠回りになったかもしれませんが、K子さんに何が言いたいかというと「自分の可能性を信じてみましょう」ということ。自分の可能性を信じることができる人は、いくつになっても輝いています。そしてその輝きに人が集まってきます。

 人生の主人公(主体者)として、何か始めてみる。それはかつて可能性ゼロとして諦め、封印してきたことかもしれません。でも、それがK子さんのあたらしい扉を開きます。

 私も封印してきた自分の思い(パンドラの箱?)を最近開けました。音楽音痴、楽譜も読めない(おたまじゃくし状態)の自分が、アコースティックギターを習い始めました。最近は何度心が折れたことか。でも、少しずつ今の自分を楽しもうという心境に落ち着いています。

 K子さん、日々の生活は本当に間がなくて日常に埋もれがちだと思うのです。でも、今後の人生について“うずくまって悩まず”に、“歩きながら考えて”みましょう。一日5分でも良いので、ひとつ自分の好きなことを始めてみませんか。心から応援しております。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.231
発行日:2024年5月31日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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