魔法の言葉
<安藤亘の1分間カウンセリング 6年3月>
Q.現在、高齢者入所施設で介護職員として勤務しています。入職して10年目。職場の人間関係に悩む日々です。相談内容は、ご利用者というよりも職員(同僚や上)に対する不満です。会議の席では意見を言わないのに、後で(裏で)不平不満を言う同僚。「法人の方針だから」と上の都合で仕事の仕方やルールを押し付けてくる上司。本来であればご利用者に100%エネルギーを注ぎたいのに。どうしたら職場の中に良い空気(循環)を生み出すことができるでしょう。
(I美:33歳)
A.まっとうな悩みですね。ありがとうございます。
I美さんは、気分や体調の浮き沈みがありながらも前向きに仕事に集中したいと、日々笑顔を絶やさず現場の仕事に向きあっていらっしゃるご様子が伝わってまいりました。
職場に限らず、家庭の人間関係も難しさを伴います。長時間過ごすことにより「普通こうでしょう!」「言わずにわかってよ!」等、相手に対する甘えや期待感が生じやすい。そのため、互いの違いを尊重しにくく、相手の真意(本意)を確認する前に感情的・反射的に反応しやすい距離感です。
家庭や職場の喧嘩やいがみ合いは、相手に対する勝手な期待感、こうでなければならないといった自分自身の価値基準の押し付け等々、後から振り返れば、本当に些細なことや思い違いであることがほとんどであることに気づくでしょう。
ではそんな時、感情的に反応しない(ストレスを感じない)ようにするためにはどうしたら良いか。“ひと呼吸おく心のゆとりを持つ”こと。それが最大のコツです。
「そんなことわかってる。でもできないから困っているのに!」という声が聞こえてきそうですが、とにかくやってみましょうよ。
ただ、「やるってもんだ!」では“昭和のおやじ”(笑)になってしまいますから、具体的に日々工夫できるシンプルなコツをお伝えしますね。「たとえばネガティブワードは極力つかわず、ポジティブワードをつかう。すぐに実践できるポジティブワード「魔法の言葉」をふたつだけ紹介します。
まずは「ありがとう」。何か手伝ってもらった時、つい「すみません…」という人が多いのでは。相手は誤ってほしいのではなく「ありがとう」と心から感謝して欲しいはず。
つぎに「大丈夫」。心がそぞろになり、ざわついている人が身近にいたら、その相手の目をみて言いましょう。
「大丈夫(?)⤴」と相手に“問う”のではなく「大丈夫(だよ)⤵」と大丈夫であることを“
保証”してあげる。「大丈夫(だよ)⤵」。語尾を下げ、言い切る感じで。何の根拠がなくても構いません。心から大丈夫と言ってあげると、相手のそぞろになっている心が不思議と整っていきます。
まずは小さな実践から。I美さんが身近な人に日々意識して魔法の言葉をかけていきましょう。
湖の片隅に小石を落とすとその波紋は、やがて湖全体に広がっていくように、I美さんの小さな実践は徐々に家庭や職場の中に少しずつ広がっていくことでしょう。応援しています。