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VOL.227
2024. 1月26日

WAIWAIBOX

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会議って面倒くさい。何のために?

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 6年1月>

Q.障害者支援施設と保育園を運営する法人で、長年保育士として勤務。昨年職場から社会福祉主事任用資格を取得するよう言われ、取得しました。今年4月に同法人の障害者支援施設へ管理職として異動。慣れない環境に日々四苦八苦しています。本日相談したいのは、会議の件です。会議は現場仕事が終わった後なので、できるだけ短く終わらせたい。しかし(保育士の時もそうでしたが)現場の会議はとにかく長い!しかもすっきりとした落としどころがなく、結局管理職の意見に流されて終わり。職員は納得感が薄いのか、すぐ帰らず職員同士で立ち話していて、なかなか帰りません。どうしたら生産的な会議運営ができるでしょうか。
(G美:43歳)

A.G美さん、ご相談ありがとうございます。

 さて、昔からずっとあたり前のように続いている職場の「会議」。でも、あらためて「会議」って何でしょう?話し合い?

 曖昧な“話し合い”はあいまいにしか進まず、時間の無駄です。職場における話し合いをひと事でいうと「ある目的をもった対話」。それが仕事における「会議」です。共同の場で(リスクマネジメント含めて)仕事の成果が最大に上がるように現場の状況を整理し、いろいろなことを確認したり共有したりする貴重な社会的場面(機会)です。

 できる上司は今日の会議の議題を前日くらいから参加者に配布しています。今回の会議の“議題”、そして“いつまでに何を決めるのか”。

 議題を事前に「見える化」して提示し、議題に対する個人のイメージを考えてきてもらうためです。

 会議がスタートし、最少の時間と労力で職員それぞれのイメージや認識のずれを修正し、そのうえで本題に入ります。

 一人ひとりから意見を引き出し、出された様々な意見に対してさらに皆がどうしたいか、意思を確認するということです。

 難しく思われるかもしれませんが、本質はまずは話し出す際の議題に対するイメージの共有化、つまり「見える化」。そして、さらに職員の主体性をいかに引き出せるか、つまり「エンパワメント・アプローチ」。

 福祉の仕事は一人で完結する仕事はひとつもありません。職員が同じ方向を向いて協働できるよう、それぞれの違いや個性を尊重し、持ち味や力を引き出して、その場で役割分担をする。

 原始時代からそのようにして人間は協働して生き延びてきたはずです。

 G美さん、本質から離れず、誰の何のために行うのか、そしていつまでに何をしなくてはいけないのか、それが基本です。

 焦る必要はありません。G美さんが、自分の組織(社会)の共有化を図り、そこにG美さんの持ち味を生かした役割(居場所)をもつことができますこと、心から応援しております。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.227
発行日:2024年1月26日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
   (一財)秋田県民間社会事業福利協会
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