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VOL.226
2023. 12月29日

WAIWAIBOX

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社会の中に居場所を

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 5年12月>

Q.福祉の仕事をするようになって、約8年目。2人の子育て、パート、いろいろと忙しくしてきました。
 ふと気づくと、下がもう小学6年生。親よりも友達との方が楽しいですよね。仕事と日常生活のみで、朝起き日が暮れていく… 何かその連続で、老いていくのを実感していくだけでは寂しいです。
 どうしたら、もっと日々楽しく、生きいきとできるのでしょうか。
(F子:43歳)

A.F子さん、ご相談ありがとうございます。戦後、日本は大家族や大地主、財閥等は解体され、小さな家族(いわゆる究極の家族の最小単位、核家族)へと急変しました。

 そのため、DNAはそうすぐに変化するわけもなく、日本の(特に)若者は、自然や人とのつながりを感じ取りにくく、グローバル化に伴う仕事の細分化等により、生きる(生きている)ことの実感、働くことと命が直結していることを感じとりにくくなっています。

 そのため、F子さんと同じ思いの方は周囲にたくさんいらっしゃることと思います。

 先日ある社会福祉協議会主催の精神保健ボランティア講座の会場で、受講者の方々に受講動機についてお伺いしたところ、F子さんと同じくらいの年代(40代前半)の女性が、

 これまでは自分の人生、そして家族に尽くす(家族を優先する)人生を送ってきました。現在子供も中学生になり、少し手がかからなくなって精神的な距離がとれる(とらないといけない)時期になり、何かとてももやもやしていました。社協だより(広報)を拝見し、これからは、家族に限らず、誰かの何かの役に立つ社会的に孤立しない人生を歩みたいと思って応募しました。

 と。参加者の方々はしみじみと聴かれていました。誰かの何かの役に立つ。そしてそこには「居場所」ができる。

 確かに家庭における居場所(なくてはならない存在)は、今後少し薄らいでいくかもしれませんが、そのような人を社会は求めています。

 本当の社会人であり、社会へ感謝の気持ちがあってこそ、人はその後の人生を豊かに、幸せに歩んでいけるのではないかと実感した次第です。

 F子さんが、今後も社会の中に役割(居場所)をもって、共に助け合う社会の一員となっていただけますように。

 心から応援しております。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.226
発行日:2023年12月29日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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