ひとにも、じぶんにも・・・
<安藤亘の1分間カウンセリング 5年10月>
Q.福祉系専門学校を卒業後、一度は一般企業の事務をしていました。結婚し、一時は専業主婦として頑張ってきましたが。子どもが小学校に上がるタイミングで障害者支援施設へ正規職員枠で入職し、現在は日々障害のある人の日中の活動支援をしています。男の子一人の3人家族世帯ですが、夫も自閉症スペクトラム症で、日々の生活にゆとりがなく、きゅうきゅうとしています。
(D子:40歳)
A.D子さん、ご相談ありがとうございます。お子さんの日々の状況については詳しく記述されていませんでしたが、現在の状況を鑑みストレスの多いことと想像されます。
家庭でも職場でも一番大事なのは「コミュニケーション」であることは異議を述べる人はいないでしょう。
コミュニケーション(communication)は、語源がラテン語のコミュニコ(communico)からきていて、本意は“共にある”“共有する”という意味。
D子さんの仕事や家庭のご様子ですと、その「共有」がなかなか難しい状況にあることが想像されます。
そのような時は、今の状況やそこから生じる感情を、家庭の外の専門家(カウンセラー)に語るということがとても大切です。
「ひとつ“語る”こと」は、「ひとつ“受け入れる”こと」といいます。勿論、勇気のいることかもしれません。しかし自分自身の感情に名前を付け、言葉に括っていく。その作業こそが、苦しみ「主観」から距離をとり、「客観」へと切り替えていくことにつながります。つまりD子さんの未来を一緒に考えてくれる存在は、ご自身の今後を形成することにつながると思うのです。
支援する側(福祉の現場職員)の立場の方々は、人から支援を受けることに慣れておらず、苦手な方が多いことを実感しております。
・・・がゆえに、持ちつ持たれつ。時に他者に依存したり、されたりできる(たくさんの健全な依存対象がある)人は、心の健康を保つのも得意です。
人にやさしく、自分にもやさしく。D子さんの今後を、応援しています。