本文へスキップ

VOL.222
2023. 8月25日

WAIWAIBOX

Sowelクラブ公式サイトをみる

4つの視点から

イラスト

ビヨンドザボーダー株式会社
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 5年8月>

Q.高齢者入所施設に介護職として勤務して3年目になります。まだミスも多く、自信を失うことも多い日々です。
 先日職場で半年ごとの(上司との)フィードバック面接がありました。その際「君もそろそろ入職して3年経つよね。同じ過ちを繰り返さないために、なぜミスが生じたのか、真剣に考えてみて」と。
 しかし具体的にどうしたら良いかわからず、先輩に相談してみたところ「そこは自分で考えないといけないところだよね」と。「でもひとつだけ。目先のことにとらわれず、職場全体の人の動きを俯瞰してみることを意識してみたらどうかな」とアドバイスいただきました。もっと自分の頭でじっくり考えないといけないことはわかりますが、どうしたら良いかなかなかわかりません。何かヒントになりそうなことはありませんか。
(B美:29歳)

A.そうですね。そこは悩みながら現場の実践と向き合うことが大切ですね。とはいえ、うずくまって(立ち止まって)悩むよりも、歩きながら考えた方が学びは大きいと思います。

 誰かに答えを教えてもらうのではなく、いろいろな人に相談してみて、深く理解し学ぶためのヒントを得ることは大切なことです。

 今回、物事の捉え方のヒントになりそうな4つの視点(鳥の目・虫の目・魚の目・コウモリの目)について、以下お話させていただきます。

【鳥の目:bird’s-eye view】
 まずは「鳥の目」。鳥は上空から全体を見ることができます。つまり「俯瞰」することができる視点が鳥の目。言い換えると、視野の広さ。全体を見ることができなければ、現在の自分の立ち位置、目的地、目的地までの手段や条件といったことが分からず間違った方向に進んだり、ぐるぐる同じところを回っていたり、ということになります。B美さんの先輩が教えてくれたヒントは、この鳥の目のことだと思います。

【虫の目:worm’s/frog’s-eye view】
 次に「虫の目」。虫の目とは物事を小さく細分化し、掘り下げて細かく見るということ。言い換えれば、視点の深さです。全体を構成するのは細かい一部の集まりです。全体を俯瞰してざっくり捉えることと同じくらい、一部分にフォーカスして見る(分析する)ことも重要です。どういう時に虫の目が必要なのかというと、問題が起きた時です。問題というのは、なぜ、それが起きているのか?その原因は、どんな構成要素や条件によって生じたのか。細かく掘り下げることで発見することができます。上司が伝えようとしていたのは、この虫の目のことだと思います。

【魚の目:fish’s-eye view】
 次に「魚の目」です。魚の目とは流れを見るということ。流れとは時間軸のことです。言い換えると、視点の長さやタイミング。スケジュールを把握し、大局的な流れを読んでいつどんなタイミングで言う(伝える)、実行する(行う)のか、ということはとても重要です。

【コウモリの目:bat’s-eye view】
 最後に「コウモリの目」。コウモリは天井にぶら下がって逆さまにモノを見ます。そのことから、逆の立場で見る・発想を変えるという視点を指します。言い換えれば、様々な角度から物事を見ることができることで、視点の数や切り替えです。常識や前提、先入観にとらわれず、一度疑ってみる。本質を追求する姿勢です。

 人は生涯成長し続ける生き物です。B美さんの伸びしろは無限大。じっくり自分と仕事と向き合いながら一歩一歩成長していかれてくださいね。応援しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.222
発行日:2023年8月25日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
   (一財)秋田県民間社会事業福利協会
〒010-0922 秋田市旭北栄町1-5 TEL:018(864)2703