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VOL.220
2023. 6月30日

WAIWAIBOX

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指摘だけで終わっていませんか?

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 5年6月>

Q.高齢者入所施設に勤務しています。私は中間管理職で、実務上のフロアリーダーを務めています。最近の悩みは、先日業務内容について若手職員に注意したところ、その職員が不眠症となり精神科受診、適応障害の診断を受けました。一方、別の職員ですが同じミスを繰り返し皆で決めたことに従わず、リーダーや先輩が何度注意しても「わかりました」と返事のみで改善がまったくみられない職員も。どちらのケースも注意した職員が無力感にさいなまれ、怒りを溜め込み参ってしまいます…
(Z夫:45歳)

A.「打たれ弱い」「響かない」、いずれにしても極端な事例ですが、現場からよく寄せられる相談です。

 福祉の仕事は、かつては「3K(きつい・汚い・危険)職場」と言われ「想い」のある人が選択する職場でしたが、現在では普通に職業選択のひとつになっていますので、現場には様々な人が入職してきます。

 打たれにくい部下、響かない部下、それぞれに難しさがありますね。いずれにしても、Z夫さんが育ってきた時とは全く異なる時代を生きてきた世代の職員です。つまり、これまでと異なる“相手(部下)に合わせた対応”が必要であるということ。

 打たれ弱いからといって指摘しないわけにはいきませんし、響かないからといって同じ指示を何度も繰り返すのは得策ではありません。

 例えば「打たれ弱い部下」があせってミスにつながった場合には、ミスを指摘した後に必ず「今回はあせってミスにつながってしまったけど、君を否定しているわけではないんだよ。すぐに行動に移せるというのは、君の“良いところ”でもあるんだから。次からは一呼吸置いて考えてから対応してみよう」と。

 「響かない部下」にも指摘だけで終わらせず「どうしたら同じミスをしないようになるかな。何か工夫できそう?一緒に考えよう」と。

 つまり、「ソリューション・フォーカス」。このコーナーでもかつて何度かお話しさせていただきましたが、「過去志向(何で、どうしてミスしたんだ!)」ではなく、「これからどうしたらミスしなくなるか一緒に考えよう」という「未来志向」のことです。

 職場で工夫できることは、まだまだたくさんあります。相手に合わせたコミュニケーション、個別対応。

 まずは部下に関心を持って理解するところからですね。上司も試されています。楽しみながら、工夫なさってください。

 Z夫さん、応援しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.220
発行日:2023年6月30日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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