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VOL.219
2023. 5月26日

WAIWAIBOX

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第3の道…?

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 5年5月>

Q.地元の高校を卒業後すぐ就職はせず2年間複数のアルバイトをしていましたが、現在は友人からの勧めもあり高齢者入所施設で介護の仕事をしています。フリーターの時は、特に人間関係に悩むこともなかったのですが、最近先輩からの嫌がらせに悩んでいます。おそらく先輩は意図的に私をいじめているとは思っていないと思います。私、いじられキャラなので、いじられても(からかわれたりちょっかいをだされたりしても)ついニコニコしてしまいます。元気な時は流せますが、疲れている時や気持ちが少し落ちている時は馬鹿にされているように感じ、流せず心に引っかかり何度も思い出してしまいます。どうしたらよいでしょうか?
(Y香:29歳)

A.・・・そうですね。Y香さんがおっしゃるように、先輩は罪意識を感じていない、つまりY香さんが密かに悩んでいることに気付いていないと思います。

 ではどうしたら良いか。「アサーション(assertion)」という言葉を聞いたことはあります?(以下)

 「アサーション」を日本語に訳すと、主張・断言・断定・言い張ること。1950年代にアメリカで行動療法の中から生まれ後にカウンセリングの中で用いるトレーニング法として進化しました。しかし自分を押し通すということではなく、自分の要求や意見を、相手の権利を侵害することなく誠実・率直・対等に表現することを意味します。コミュニケーションが苦手な人、引っ込み思案で自然なやり取りができない人に対して「感じ・考え方や行動を変えることで自分の意見を言えるようにしましょう」というアプローチが中心です。生じた出来事に対してその時自分が感じた素直な気持ちに気づいて(なるべく時間を置かず)正直に、その場に応じたふさわしい方法(態度や言動)で表現し、相手に伝えること。“自分も相手も大切にする”コミュニケーション法です。

 Y香さんがただ我慢するだけでは、いずれその先輩を「嫌な(苦手)な先輩」というレッテルを貼り、避けることになるでしょう。

 我慢も限界に達すれば、Y香さんが爆発して(キレて)関係がさらにギクシャクしたものになるかもしれません。

 「我慢するか」「戦うか」ではなく、“第3の道”を選択する。つまり相手との間に摩擦が生じた際に、なるべく時間を置かず私を主語にして自分の気持ちを素直に伝える。それが“アサーション”(自分も相手も大切にするコミュニケーションスキル)です。

 いろいろな本が出版されていますので、ネットで調べて口コミ(評判)の良いものをまずは1冊購入し、何度も読み込んでみては。今後のY香さんの人生にきっとプラスになると思います。

 ぜひこのピンチをチャンスに変えるきっかけとされてください。応援しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.219
発行日:2023年5月26日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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