「言い方」「伝え方」のコツは?
<安藤亘の1分間カウンセリング 5年3月>
Q.福祉系専門学校を卒業し、現在高齢者入所施設に勤めています。中間管理職として部下職員に対し「頑張ってるね」の声掛け等、ほめることを心がけています。しかし現場でミス等が発生した際、指摘をすると(強く叱った訳でもないのに)「自分はこんなに一生懸命やっているのに」「何で自分だけ」と急に被害的になる部下がいて、指摘するのを躊躇してしまいます。どうしたら?
(W治:40歳)
A.W治さん、どうしたら良いでしょうかね。指摘するのかしないのか。W治さんご自身はどう考えますか。
さて、誰もが部下に「嫌われたくない」「良い人だと思われたい」と思うのは当然です。しかし仕事ですので、管理職は時に嫌われる勇気も必要かもしれませんね。
これまで一般職の立場であれば、職場で生ずるいろんなことを上司にぶつければ良かった立場から、管理職になるとむしろぶつけられる立場に。自分よりも年上の部下もいらっしゃることでしょう。しかし、職場の職責を果たすためには、きちんと指摘しなくてはいけないことを曖昧にして良いことはひとつもありません。
福祉の現場の仕事は、ご利用者の安心・安全を保障するだけでなく、日々の生活や生命を守る仕事ですから、やはりここは躊躇せず言わなくてはなりません。つまりポイントは「言い方」「伝え方」にあります。
では、どのような言い方をすれば良いのでしょうか。指摘した際、被害的・感情的になっている部下の言い分をまずはしっかり聞き、受けとめる。次に同じ土俵には上らず(感情的に巻き込まれず)、冷静かつ相手に伝わるように(相手が受け止められるように)伝えるということです。
「今回は深く考えず行動し、ミスにつながってしまったけど、考えすぎて動けなくなったりタイミングを外してしまったりするのもまた問題だよね。すぐ動く。それがあなたの良いところでもあるんだから」「忙しい時にルールを守らないご利用者に怒ってしまったのは、やはりこらえどころだったと思うよ。でも君の仕事に対する真面目さゆえのことだと思うから。」「どうしたら貴方の持ち味を生かすことができるのか、一緒に考えよう」等、指摘だけで終わらせず、そのような時ほどほめたりフォローしたり、一緒に考えていくスタンスを示したりすることも必要でしょう。
W治さんの今後に、期待と応援をしています。