「気づき」を明確に
<安藤亘の1分間カウンセリング 4年5月>
Q.短大卒業後、今の法人に事務職として就職。その後介護の資格を取得して福祉現場に出て10年近くが経ちました。
福祉の現場は想像以上にストレスフルで、日々ご利用者のみならず、職場の人間関係に悩む日々です。これまでメンタルヘルス系の研修を受けたり書籍を読んだりしましたが、なかなか効果を実感することができません。どうしてでしょうか。
(М子:38歳)
A.М子さんは、やさしい口調で相談してくださっていますが、端的に言えば「なぜ研修を受けたり本を読んでも何も変わらないのか。そもそも実効性がないのではないか」ということでしょう。
突然ですが、哲学者/心理学者のウィリアム・ジェームズ(1842-1910)は以下のように述べています。
「考え」が変われば「意識」が変わる
「意識」が変われば「行動」が変わる
「行動」が変われば「習慣」が変わる
「習慣」が変われば「人生」が変わる
「人生」が変われば「運命」も変わる
研修を受けたり書籍を読んだりして、その時はわかったつもりになっても、それは「考え」や「意識」止まり。変えなくてはいけないのは「習慣」です。良い「習慣」を続ければ「人生」が変わりますから。
そのためには、行動を変えないといけない。つまり、研修を受けたり本を読んだりした際、自分自身の新たな「気づき」を明確にし、それを「行動目標」にまで具体的に落とし込み、明確にしておくのです。
そして習慣化させるためには、その新しく立てた「行動目標」を実際に3週間続けてみて下さい。どんな些細な目標でも構いません。無理なく続けられそうな行動を3週間続けると、大抵のことは習慣化され、最少のエネルギーでそれを今後も続けていく事が可能となります。
どの研修も、受講したらアンケートを記入されますね。ただ、アンケートは提出してしまうと手元には残りません。レジュメの最後のページの余白で構わないので、自分自身があらためて感じ考えた「気づき」とその気づきを今後の仕事や生活にどのようにいかすのかといった「行動目標」をそれぞれ箇条書きに3つずつ書き出してみてください。
研修会場は非日常の場です。研修が終わり自宅に、職場に戻れば多忙な日常が待っています。その日常に流されないよう、書き出した「行動目標」を日々の仕事(生活)に取り入れ、3週間実行してみましょう。習慣が変わると人生が変わりますから。
物を売る仕事ではないので、福祉現場では「人」が資源です。
М子さんが枯渇することなく、日々良い仕事を展開され、生きいきとした生活を送っていかれること、期待しております。