過去志向から未来志向へ
<安藤亘の1分間カウンセリング 3年12月>
Q.高齢者入所施設に長年勤務しています。日々、職員の様子が気になり声を掛けたいのですが、具体的にどのような言葉をかけたらよいのかいつも大変悩みます。管理職の立場なため、同僚から声を掛けられるのとは受け止められ方が相当異なると感じています。
不調の職員の話を共感的に聞こうと努めていると、そのような状況においやってしまった管理職としての自分自身も責任を感じ、辛くなってきます…
(H男:50歳)
A.ご相談、ありがとうございます。H男さんは、おそらく悩んでいるうちに相手に働きかけるタイミングを逸し、働きかけず仕舞いに終わって結果後悔されることが多いのではないでしょうか。
H男さんのおっしゃるとおり、管理職には管理職の立場がございますよね。しかし、少し立ち止まって“権利擁護”という観点から、そして“未来志向”で捉え直してみてください。
現象のみにとらわれて「何で(どうして)こうなったの」という原因追求型の指摘は、確かに上から目線の、しかも過去志向の声掛けになってしまいます。
では未来志向の関わりとは何か。「今後(これから)どうしたらよいか一緒に考えよう」という姿勢のことです。(「ソリューションフォーカス」といいます。)
そして「支援する側・される側」であっても、「親・子」であっても、「先生・生徒」であっても、「上司・部下」であっても、立場は変われど人としては対等であるという“ニュートラルな関係”が権利擁護です。その気持ちや姿勢が常に人との関わりのベースにあれば、相手にしっかりと伝わると思いますよ。
まずは自らが「管理職」という鎧(よろい)を脱いで、人として対等な存在として職場で一緒に働く仲間に関心をもって理解しようとする。そこからが始まりだと思います。
うずくまって悩むよりも、歩きながら考えてみてはいかがでしょう。そして“迷ったら、まず行動すべし”。後悔するのは実際に行動してからでも遅くないはずです。H男さん、応援しております。