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VOL.201
2021. 11月26日

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ストレスをため込みやすい「考え方の癖」A

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 3年11月>

Q.福祉と異なる業界から、今年4月に今の社会福祉法人に転職し、現在高齢者介護の仕事をしています。最近思うのですが自分に臨機応変さが足りず、融通が利かないところがあって、それゆえストレスを感じます。私には対人支援(福祉)の仕事は向いていないのでは、と。本当は今の仕事を続けたい。自分が陥りがちな考え方の癖や、それに伴い生じるストレスについて知り、対応できるようになりたいです。
(G美:25歳

A.今回は前回のG美さんの上記ご質問に対する回答の続き(後編)です。

【ストレスをため込みやすい「考え方の癖」(後編:5〜10】

□5.結論の飛躍
何の根拠もないのに悲観的な結論を導いてしまう考え方のこと。
@心の読みすぎ:ある人が自分に悪く反応したと早合点する。
例)上司(Aさん)に挨拶した際、挨拶を返してくれなかったことから「自分はAさんに嫌われている」と深読みし、かえって自分を追い詰めてしまう。
※「Aさんは次の会議のことで頭がいっぱいなんだ」「Aさんが挨拶してくれなかったといって、私が嫌われていることにはならない」と、他の可能性もいくつか考えるようにすることが大切です。
A先読みの誤り:事態は確実に悪くなると決めつける。
例)良くないニュースと結び付けて「自分の病気は決して治らない」と思い込んでしまう。
※うつ病になると、このような考え方に陥ることがあります。身近な人に「その人とあなたはまったくの別人。重ねて考える必要はない」等、言い換えて協力していただきましょう。

□6.マイナス思考
よいことだけでなく、何でもないことも悪い出来事にすり替えてしまう考え方のこと。
例)自身のない人が、仕事がうまくいかなかった時「やっぱり自分はだめだ」と考え逆に仕事がうまくいくと「まぐれ」と考えてしまう。

□7.すべき思考
何かにつけ、「〜すべきである、〜すべきでない」、「〜しなければならない、〜してはいけない」とするような考え方のこと。
例)「毎食後、食器は必ず洗わなくてはならない」と考えてしまう。
※「辛い時は次の日に食器洗いをしても問題ない」と柔軟な見方を。

□8.感情的決めつけ
自分の感情を事実であるかのように思い込む考え方のこと。
例)「不安。だから失敗するに決まっている」「罪の意識を感じる。きっと悪いことをしたに違いない」
※感情は考え方を反映したものに過ぎず、考え方が歪んでいればその感情にも妥当性はありません。

□9.レッテル貼り
ミスをすると「私はまったくダメな人間だ」「私は敗北者だ」等と決めつけ、自分自身にラベルリングするような考え方のこと。
例)料理をしている最中に知り合いから電話が。話に夢中になってしまい、結果料理はマル焦げ。そんな時「何で私っていつもこうなんだ」「私は何をやってもダメ人間だ」と極端な形で決めつけてしまう。

□10.自己関連付け
よくないことがあった時、自分の責任ではないことでも自分のせいにしてしまう考え方のこと。
例)子供の成績が落ちたことを知った母親が、「私の責任だ」「私は何てダメな母親なんだ」と考えてしまう。
※その人の行為の結果はその人自身の責任。肩代わりしないように。

 いくつ当てはまりましたか?心がある程度健康な時はその特徴が比較的出にくく、ストレスが溜まってくるとその特徴が表面化され易くなります。まずは自分を知り、兆候が見えたらスローペース、自分を大切にして本来のペースを取り戻して下さい。G美さん、応援しております。




ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.201
発行日:2021年11月26日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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