ストレスをため込みやすい「考え方の癖」@
<安藤亘の1分間カウンセリング 3年10月>
Q.福祉と異なる業界から、今年4月に今の社会福祉法人に転職し、現在高齢者介護の仕事をしています。最近思うのですが自分に臨機応変さが足りず、融通が利かないところがあって、それゆえストレスを感じます。私には対人支援(福祉)の仕事は向いていないのでは、と。本当は今の仕事を続けたい。自分が陥りがちな考え方の癖や、それに伴い生じるストレスについて知り、対応できるようになりたいです。
(G美:25歳)
A.まずは「自分を知る」ところからですね。それには終わりはありませんので気長に深めていかれてください。「自己覚知」という言葉がありますが、自分が陥りがちな考え方の癖を客観的に捉えることができれば、以前よりも格段に自らをコントロールすることが可能になります。
自分の考え方の癖を理解していただくためには、解説が少し長くなりますので、今回(10月号:前編)と次回(11月号:後編)に分け、ストレスをため込みやすい「考え方の癖」について解説させていただきます。
【ストレスをため込みやすい「考え方の癖」(前編:1〜4】
□1.全か無か志向
物事に対して「白か黒か」といった両極端な見方をすること。
例)自分の仕事に不完全な部分があると「全て失敗だ」と思い込む。
※白黒仕分けできない事柄は、白と黒の箱の間に「グレー」の箱を作ってみてください。グレーの箱に投げ込んでフタをする。今考えても無駄なことは、時間を置いて寝かせた方が良いこともあります。
□2.一般化のしすぎ
自分がたまたま接したよくない事実だけを根拠にして、全てがそうであると決めつけてしまう考え方をすること。
例)男性に一度デートの申し込みを断られただけで「私は男性からは決して好かれない」「全ての男性は私を嫌っている」と考えてしまう。
※「その男性に断られたからといって全ての男性に嫌われている訳ではない。「たまたまその男性とは縁がなかった」と切り替えて考える癖を身につけることです。
□3.拡大解釈と過少評価
自分の失敗や短所は大げさに捉えるのに成功や長所は過少評価してしまう考え方のこと。
例)ほんの小さなミスをしただけで「大失敗だ、全て台無しだ」と思い込んでしまう。
□4.心のフィルター
1つのよくない事実にだけこだわり、他の事は全て無視してしまうような考え方のこと。
例)評価は全体的によいのに、たった1人から受けた批評だけを気にして悩んでしまう。
以上が、ストレスをため込みやすい「考え方の癖」(前編:1〜4)です。次号(11月)は5〜10を掲載いたします。