「自分」のために
<安藤亘の1分間カウンセリング 3年4月>
Q.結婚して2児の母となり、一旦は仕事を辞めて子育てに専念していました。下の娘が小学生になるタイミングで現在の高齢者入所施設に勤務して10年になります。
上の娘が今年3月高校を卒業して四国の国立大(第1志望)に合格し、4月から大学の寮で生活することになりました。それはそれで嬉しいことなのですが、娘がいない毎日は寂しくて仕方ありません。この気持ちをどうすれば良いでしょうか。
(A子:45歳)
A.春は変化の時季ですね。気温の変化もさることながら、日本では新学期、部署の異動、そしてそれに伴う転居等、出会いと別れが交錯する4月。変化はそのままストレスとして蓄積し、重層化していきます。
人はつらく不快な感情(怒りや不安、喪失感等)をそのまま自分の中に閉じ込めておくと、人間関係や自分の体調に影響を与え、収束するまでに時間がかかります。
感情が外に向かえば自分より弱い立場の人にイライラをぶつけたり、感情を自分の中に閉じ込めておくと、抑うつ状態になる等内側から悪さしたりします。
A子さん同様、人はそんな器用に心の整理をつけたり、割り切ったりすることができない生き物であるといえるでしょう。不器用でよいのではないでしょうか。
自分の気持ちを人に“ひとつ話すことは、ひとつ受け入れること”といいます。一人で完結せず、今のA子さんの辛い状況をどんどん周囲の人に話してみてください。メールやライン等を活用し、文字に括るのもよいでしょう。
また「時間が解決するさ」という言葉を聞いたことはありませんか。つまりどんな辛いことがあっても、時間とともに主観から客観に切りかわっていくということです。
これまでA子さんは、仕事や子育てに忙しくされ、自分のことは一番最後(後回し)だったのでは。
人生の後半戦が始まったばかり。これから様々な出会いや体験が待っていることでしょう。日々感謝の気持ちを忘れずに、ぽっかり空いたA子さんの胸の奥に、粛々としなやかに人への、そして自分への感謝の気持ちを詰め込んでいってくださいね。
どんな1日でも、かけがえのない一度きりの人生の貴重な1日です。A子さんが自分の心をみつめ、自分の心に従って(自分が望むことをして)生きていかれること、期待しております。