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VOL.192
2021. 2月26日

WAIWAIBOX

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個人プレーからチームプレーへ

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 3年2月>

Q.ある法人の高齢者施設(通所部門)に勤務しています。相談したいのは、クレーム対応についてです。ご利用者のご家族から苦情の電話を受けた後、精神的ダメージを引きずってしまいます。ダメージを受けてもリセットできたり、そもそもダメージを受けたりしないような方法を身につけるためにはどうしたら良いでしょうか。
(Y子:34歳)

A.苦情はどのような内容なのでしょうか。“根も葉もないこと”、“ちょっとしたことで、そこまで言わなくていいのに…と思うようなこと”、もしくは“一生懸命やってるのに、もっとこうして欲しい、何でしてくれないんだ”という過剰な要求の内容でしょうか。

 福祉の仕事でない仕事の多く(例えば物を売る仕事)は、ある程度手の抜きどころがわかりやすい仕事も多くあるでしょう。売り切れば終わり、ノルマを達成すれば終わり、時間で終わり。

 しかし福祉の仕事はそうはいきません。人の生活、命がかかっています。手が抜けない。相手のあることですから、誰に対しても同じように行うわけにもいかず、日々応用問題を解くかのごとく臨機応変な対応が必要となります。

 現場の仕事は、急な(想定外な)苦情の発生、一生懸命やっているのにそもそも個人の努力ではどうにもならないストレスにさらされることが前提な職場がほとんどでしょう。

 ではそんなストレスに対処するにはどうしたら良いか。それは「ラグビー」と同じです。強豪と向き合うためにはまずは身内(同じグループ)のチームワークを大切にするところから始めてみましょう。

 そのうえで、組織としてどのように対応するのか(例えば有給をとり易くする、休暇はできるだけ連続してまとまった休みを取れるようにする等)を考えていきましょう。

 上司に言っても難しい場合は、「良い仕事を進めるための職場環境見直し委員会」や「苦情対応委員会」等を立ち上げ、部署を横断するメンバーで前向きに検討していくことも。裏で文句や愚痴を言うより建設的です。受け身から主体へ。どうしたら良い仕事を進める環境を整えることができるのか、真剣に考えてみましょう。

 Y子さんは、マニュアルだけではどうにもならないストレスにさらされ続ける、まさに「現場」職員。コロナ禍にあって、最近難しいかもしれませんが、仲間で思いを共有することがまず何より大事なことです。

 職場で孤立することなく、チームの力で(ダメージを受けても回復できる)しなやかな強さを身につけましょう。

 応援しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.192
発行日:2021年2月26日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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