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VOL.191
2021. 1月29日

WAIWAIBOX

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自分にやさしく

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘



<安藤亘の1分間カウンセリング 3年1月>


Q.社会福祉法人の障害者支援施設(入所)に勤務しています。相変わらず仕事も生活も多忙を極めていますが、これまで何とか頑張りました。でも最近何だか意欲が低下し、あと一歩の頑張りがききません。気持ちのハリも低下し、このままでいいのかと焦ります。これまで身体に出たことはなかったのですが、最近突発性難聴になり治療しました。幸い軽快しましたが、歳ですかね。少し自信をなくしています。
(X男:50歳)


A.「聴覚」は確かに年齢とともに影響を受けやすい繊細な器官です。しかし、ただ歳のせいにするのではなく、そこから自分を大切にするヒントを覗いてみましょう。

 

 諸説ありますが、地球の歴史46億年。人類の歴史500万年。そして1882年、エジソンがニューヨークにつくった火力発電所から電気を送り始め、18世紀後半以降イギリスから始まった産業革命によって、私たちの生活はものすごい速さで変化を遂げるようになります。

 

 もうお気づきですね。ここ200年くらいから人は闇を支配し、様々なものを動かす電気を使って生活を一変させました。それにより、資源や領土の奪い合いが生じ、世界規模の戦争も起こるようになりました。


 人類の歴史からするとほんのリンゴの薄皮。人という生物が、そのストレス(変化)に対応することは到底不可能です。


 おそらく現代の文明が今止まったままであったとしても、人がその文明に適応できるだけのストレス対処を身につけた進化を遂げるには、何百万年もかかるのではないでしょうか。


 つまり現代の人の暮らし方としては、向かい風(ストレス)に抗うように常に正面から対峙しても(戦っても)負けてしまうでしょう。
 
 負け戦はしない。戦うのではなく、うまく付き合うということが今を生きる人の宿命です。


 X男さんは福祉現場の職員。これまで日々、人(誰か)のために心血を注いできました。現場の職員の方々の特徴として、自分よりも相手を優先し、自分はいつも後回し。


 でも(厳しいことを言うようですが)自分をないがしろにしても、誰も助けてはくれません。自分を大切にするのは、自分自身の責務です。時に自分を優先し、嫌われる勇気も必要かもしれません。


 自分の心身からのメッセージに耳を凝らし、サインに気づいたら自分にやさしく、スローライフに。X男さんは、少しわがままなくらいが良いのかもしれませんね。


 X男さんが今回のことをきっかけに、これまで以上に自分を大切に、やさしくなることができれば、それはそのままさらなる相手へのやさしさにつながるはず。応援しています。




ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.191
発行日:2021年1月29日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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