対等(ニュートラル)な関係構築を
<安藤亘の1分間カウンセリング 2年12月>
Q.ある社会福祉法人の障害者支援施設(入所)に勤務しています。最近の若い職員は、何度も言い説明しているのに「教えてもらっていない」「知らない」と。言い過ぎると辞めてしまうので、こちらははっきりものが言えず、怒りが溜まっています。
(W夫:45歳)
A.W夫さん、仕事ではコロナ禍にあってひと手間もふた手間もかかるところに、おそらくプライベートでも自粛自粛の日々…気分転換もままならない状況であろうかと存じます。そして受身な部下の存在…
ただ、最初にひとつお伝えしたいのは、若い職員皆がそうであるとは限らないということ。
差別偏見は“自分と対象との間に明確な線を引き、その対象を十把一絡げにして、上から目線で決め付けた言い方をする”ところから生じます。
そして次に、自分の感情と上手く付き合うということ。「不安」や「怒り」自分にとって不快な感情なので、早めに処理できると良いですね。
できるだけイラッとせず、怒りをため込むことのないようにするためのヒントを以下お伝え致します。
自分の負の感情全てをなくし、生じなくする魔法の杖や特効薬はありません。誰かに相談したり、文字に括ったりして「主観」(不安・怒り)を「客観」化(安心・冷静)する習慣を形成していかれて下さい。
それには、組織内の職員同士の相互理解(コミュニケーション)に工夫を。そして職員一人ひとりが誰に対しても「権利擁護」の意識をしっかり持つことが肝要です。
“立場や役割は違えど、人としては対等(ニュートラル)である”ことが権利擁護の本質です。それを常にコミュニケーションや支援のベースに置く。
そして上から目線で「原因」(過去)を追求し咎めるのではなく「今後どうしたらよいか」(未来)を一緒に考える“ソリューション・フォーカス”の姿勢をもつことが何より大切です。
W夫さんが元気になって、不幸になる人は一人もいません。まずは実践あるのみ。自らの中に良い循環を生み出すことができれば、W夫さん自身にゆとりが生まれ、そしてその影響の輪は職場の中に徐々に拡がっていくでしょう。
これからもW夫さんが、生きいきと「自分らしさ」を生かした良い仕事を展開されますこと、期待しております。