「出来ない」ではなく…
<安藤亘の1分間カウンセリング 2年11月>
Q.介護の仕事をしています。コロナの影響もあり、最近職場の人間関係が悪く、ギスギスしています。
(V美:31歳)
A.感情的なことは一切書かず、状況のみの記述。V美さんはどのような人なのか関心を抱きました。おそらく心が孤立した状態であるということだけは伝わってまいりました。
人との対話が少なく閉塞した状況に置かれると、誰もが冷蔵庫の片隅で忘れられたバターのカケラのように孤立した状態となりがちです。おそらくV美さん個人だけでなく、V美さんの職場全体がそのような状況なのではないでしょうか。
コロナ禍にあっては、職場では基本マスク。顔の半分以上はマスクで隠れていて、防塵服さながら目と眉毛くらいしか見えません。職場における日々のコミュニケーションにも大きく影響します。
人と人との“つながり”を断ち切るのが今回のコロナによる人類最大のピンチと言えるでしょう。
しかし“ピンチはチャンス”という言葉があります。今だからこそ職場内のつながり(チームワークとコミュニケーション)を見直し、“今職場内でできることは何なのか”を考えてみましょう。
職場の人間関係が悪くなるのは、大きく2つの要因があります。ひとつはコミュニケーション不足、もうひとつは相手を一面的に捉えてレッテルを貼り、この人はこういう人だと決めつけることです。
「コロナだから無理」「できない」と言わずに、どうしたらできるかを考えてみましょう。私たち(福祉)の仕事は、できない理由を探すのではなく、どうしたらできるかを考える、そういう仕事です。
職場内に包み隠すことなく何でも話ができる環境を整えるのもひとつの試みです。例えば今年度採用した新規職員や異動してきた職員の歓迎会を行っていない職場であれば、風通しのよい部屋を「しゃべり場」として活用し、少人数の食事会を開催してみては。
ただし、食事中の会話は禁止。その後皆が食べ終わったらマスクをして会話する等ルールを決める。そのルールを徹底することができれば、可能かもしれません。
コロナ終息までには時間がかかりそうです。「ゼロか100か」「白か黒か」「右か左か」ではなく、腰を据えてその中間を探っていきましょう。息切れしなように…
V美さんも、今は自分を大切にする時。自分を大切にすることができれば(ゆとりも生まれてきますので)他者も大切にすることができます。ことさら頑張る必要はありません。
仕事以外の時間は、少し歩調をゆるめ、マイペースで。そして今のあるがままの自分を受け入れるところから始めてみませんか。