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VOL.185
2020. 7月31日

WAIWAIBOX

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「孤立」⇔「コミュニケーション」

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘



<安藤亘の1分間カウンセリング 2年7月>


Q.高齢者入所施設に勤務しています。コロナの影響で日常生活の移動も制限され、職場と自宅の往復だけ。不安な日々を過ごしています。かつてのように、ストレス解消に同僚と飲みに行くこともできず、悶々としています。
(R夫:46歳)


A.福祉の現場では感染予防対応等で大変苦労されていると思います。病院での新型コロナウイルス感染者の治療に伴う院内感染とは異なり、福祉施設の場合、明らかに外から持ち込まれたことがわかるので、ご利用者のご家族等から管理責任を問われかねないという不安は大きいと推察します。

 

 仕事(職場以外)の家庭生活においても、他者との接触を含めた制限を設けなくてはならず、日常生活にかなり影響が出ていると思います。
 
 特別な用事(生活必需品の買い物等)以外は家にいる時間が増え、R夫さんのように仕事で受けたストレスを他で発散できず、気分転換もままならない。休日も家の中で過ごすことが多いのではないでしょうか。
 
 さてR夫さんの心の叫び、確かに受け止めました。といっても私がなにかできるわけではないのですが…。


 新型コロナウイルスの特徴として、自分がいつ被害者になり、加害者になるのかわからないため、慢性的なストレスにより少しずつ心にダメージ(不安や孤立感)を積み上げ、広げていくという特徴があります。


 人が心のバランスを崩してしまう一番の原因は「孤立」、その真逆(心身の健康を維持・向上していくために最も大切なもの)が「コミュニケーション」です。


 コミュニケーションは、人の身体に例えると血液や血管にあたります。酸素をいっぱい含んだ血液が、身体の隅々にまで行きわたっているということ。つまり職場で一番立場の弱い人が生きいきと仕事をしているがどうかだけ見れば、職場全体の健康状態がわかるといいます。


 簡単に答え(解)は見つからないかもしれません。しかし、そのヒントは必ず「現場」にあります、キーワードは(自分自身が)「孤立しない」、(他者を)「孤立させない」ために職場や家庭のコミュニケーションを見直し、いま一度工夫してみることが大事かもしれません。


 不確かな情報や必ずしも事実を伝えているとは限らない(事実の一部分を切り取って報道し、不安をかき立てている)マスコミ報道に過剰に反応したり踊らされたりせず、アンテナを高く張って今の窮地を乗り切りましょう。


 R夫さんのご活躍、応援しています。




ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.185
発行日:2020年7月31日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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