トライアングルの関係性を
<安藤亘の1分間カウンセリング 2年3月>
Q.高齢者入所部門の部門管理者を務めています。今時の若者はとても難しく休憩室で大声で叫んでいたり、仕事を頼んでもすぐに忘れてしまったり。誰も見ていないとやらなくてはいけないことをやりません。指摘すると「いろいろと指摘されると混乱する」「マイナス評価が辛い」と。私はどうすればよいのでしょうか。(N子:43歳)
A. 対応が難しい若手職員への対応についてのご相談ですね。私も今回のような相談を頻繁に受けていますので実感しているところです。福祉現場のかなり多くが、今この問題を抱えています。
今の若手職員の多くは(昭和の時代を生きてきた人と全く異なり)、自分から主体的に情報を取りにいかなくても情報の方から近づいてきてくれる、情報過多の時代を歩んできた人たち。主体性や意欲よりも単位時間内の生産性や効率優先、SNS世代で気の合う仲間とだけコミュニケーションを図り嫌な人とは無理して付き合わない、そんな学生時代を過ごしてきた人たちが一気に社会の荒波に飛び込んでいくのです。
「何故失敗したのか」「何故何度言ってもわからないのか」と“何故”を並べても部下はピンときません。また頭ごなしに指導してもパワハラと思われたり、打たれ弱く職場を休みがちになってしまったり。
過去の問題点を追究するかわりに、どうしたらできるようになるのか一緒に考える姿勢(「ソリューション・フォーカス」)が大切です。
例えばコミュニケーションを三角形(トライアングル)にしてみます。二者(指摘する人/される人/ルール)関係であればダイレクトに伝わりにくく、両者のストレスを軽減できます。ルールは、直行直帰はいけない、残業は2時間まで、期限のある仕事は途中で進捗を上司に報告する等、シンプルなもの。上司と部下のプラットフォームです。
部下が上司に進捗報告をしないまま、締切日当日に提出した仕事内容を上司が確認したところ、ミスが多く上司が求めたものと大きく異なる場合、「何でいつもこうなんだ」「何でこんな仕事の仕方するんだ」「今日中だから長時間の残業になってしまうだろ!」と指摘し、叱りつけても今後に生かされることはないでしょう。
「例のルール(例えば“期限のある仕事は途中で進捗を上司に報告する”に照らしてみて、どうかな?)」と進捗報告を怠っていたことによるミスであることに、部下が自分で気づけるように仕向けてみます。
さあ、ここからはN子さんの手腕にかかっています。実践できるかできないか。ただし、無理は禁物。今自分にできることは何かを考え、実行してみましょう。応援しています。