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VOL.180
2020. 2月28日

WAIWAIBOX

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「No」をうまく伝える方法は

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 2年2月>

Q.昨年3月末に福祉系専門学校を卒業し、4月から地元の高齢者入所施設で介護の仕事をしています。日々、目の前の仕事をこなすことで精一杯。仕事のミスで落ち込むこともあります。でも好きな仕事なので続けたいと思うのですが、悩みは同僚(先輩職員)のことです。
 私は、どちらかというと笑い顔で、いわゆる「いじられキャラ」。いろいろ先輩に突っ込みを入れられてもニコニコしているので、いじられて喜んでいると勘違いされているのか、最近は“いじめ”ではないかと思うくらい容赦ない指摘や物言い、ツッコミが。私はそれが嫌で嫌でたまりません。今後どうすれば…
(M宏:21歳)

A. M宏さんは顔で笑って心で泣いて…辛いですね。でも、ニコニコしているだけでは、いじられて喜んでいると思われても仕方ないかもしれませんよ。

 ハラスメントは“しない、されない、ゆるさない”ということが何より大切です。言い換えると“加害者にならない、被害者にならない、傍観者にならない”ということです。

 M宏さんの伸びしろは無限大です。仕事が好きで、もっと良い仕事をしたいのであれば、ここは嫌なら嫌と、どこかではっきり伝える勇気をもちましょう。

 ただし、伝えるときは“負け戦”をしないように。大勢にからかわれているときはグッとこらえましょう。人は多勢(集団)になると、罪意識が極端に低下するものです。

 主犯格の先輩職員と二人きりになる場面があれば、その時がチャンスです。「私って結構いじられキャラですよね。でも本当は死ぬほど嫌なんです」と。これは「されない」、つまり“被害者”にならないために今自分ができることのひとつです。

 直接伝えることが難しければ、信頼できる先輩や上司へ相談し、ひとりで抱え込まないことが何よりも大切です。先輩や上司もM宏さんの真剣な悩みを受け止めると、もう知らなかったと言えなくなります。状況を把握したら「ゆるさない」、つまり“傍観者”にさせないための工夫点です。

 職場は、一人ひとりの職員が生きいきと仕事できる環境を整えることが何より肝要です。そしてその環境は皆で知恵を出し合い工夫して作っていくもの。

 問題を潜在化させない。M宏さんの悩みは抱え込まず表面化させることで、長い目で見れば職場全体のコミュニケーションや職場環境改善に向けてプラスに作用します。

 今後のM宏さんの活躍に期待しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.180
発行日:2020年2月28日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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