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VOL.179
2020. 1月31日

WAIWAIBOX

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「第三の道」という選択肢を

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 2年1月>

Q.障害者の通所施設の主任(中間管理職)をしています。うちの施設は私の年代はほんの少数で、一部長年勤務してきた退職間近の年配者と、その他大勢は20代の若手です。会議をしても、年配者が“普通こうだろう”と。普通感覚の世代間ギャップが大きく、結果“昔からこうだった”と年長者が若手に価値観を押し付けて終わってしまうこともしばしば。若手から相談を受けても重鎮たちを変えることは難しく、私自身無力を感じています。職場の風通しが悪く、若手が生き生きと仕事が出来ていません。どうしたら? (L美:39歳)

A. 世代間ギャップ、それをどう埋めていくか。組織においてはとても大きなテーマですね。

 どちらの話を聞いても納得するところはあり、こっちが完全に正しいときっぱり決められない。確かに悩みどころですが、しかし世の中で起きることのほとんどは「完全に正しい」といえない(白黒はっきりつかない)「グレー」なのではないでしょうか。

 つまり“どちらかに合わせるか”でなく、どちらでもない結末“第三の道”を選択することが新しい文化を形成していくことになるでしょう。

 それには、まずはコミュニケーション。周囲の職員(年代にかかわらず)と仕事以外のちょっとしたコミュニケーションを増やすことが風通しをよくすることにつながります。

 組織で人間関係がギクシャクしている時、その背景には必ずコミュニケーション不足が存在します。挨拶も然り。日常のちょっとしたコミュニケーションが少なくなればなるほど、人間関係はネガティブな方向に進みます。

 組織全体の健康度合いは、職場での立場の弱い職員が生きいきと仕事できているかどうかだけみればわかるといいます。

 まずは皆が安心して仕事できる環境を整えるために、今L美さんができることは何でしょう。例えば自ら普段あまり話さない職員や、年代の異なる職員に仕事以外の話題を持ちかける(話しかける)ことから始めてみませんか。

 人はひとりでは生きていけません。人間関係の悩みをなくしたければ、無人島で暮らすしかありません。人間関係の悩みは原始の時代から今に至るまで、ずっと続いているのです。

 そうであるならば、全ての人にとって人間関係の悩みは「ある」ことを前提に“今自分にできることは何なのか”しっかり向き合いましょう。楽しみながら、無理せず、できることから始めることが大切です。

 L美さんが前向きに、少しでも自分を活かそうとする姿をちゃんと見ている人は必ずいます。そして職場の中に徐々に良い循環(影響の輪)が広がっていくのではないでしょうか。

 L美さんの今後に期待しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.179
発行日:2020年1月31日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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