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VOL.178
2019. 12月27日

WAIWAIBOX

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ありのままの自分を

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 1年12月>

Q.障害児通所施設に勤めています。子どもが否定的な言い方をされることを嫌がり、日中その子が起こしたトラブルの報告でも、支援員の言い方次第で母親の態度が急変してしまいます。トラブルが多い子どもであるため、丁寧に日中の活動の様子も伝えたいのですが、機嫌が悪い時が多くうまく伝わりません。感情的になる家族(保護者)への対応に困っています。どう対応すれば… (K子:22歳

A. 気分にムラがあり、感情的になる相手に対して、どんな事に気をつけたら良いのかというご質問ですね。

 自動車事故は、朝や夕方のお互いが急いでいて心のゆとりがない時間帯に生じることが多いのです。どちらか一方にゆとりがあれば回避できることも。

 対人関係の場合、互いに自己肯定感が低かったり、日々のストレスが多かったり、ストレス耐性が低かったりと要因は様々ですが、お互いに心身の健康度が低下しているような時は、状況を被害的に捉えて感情的に反応しやすく、トラブルが生じやすいもの。

 良かれと思って伝えたことやアドバイスは、健康度の低い人には「もっとこうしなさい」「今のままではいけません」「改善を求めます」といった上から目線の否定形として伝わることがあります。

 すべての関わりの基本は、まずどんな状況であったとしても「よくやってるね」「頑張ってるね」等、本人なりの今の頑張りを認めるころからしか始まりません。その人の「今」を受け止め認めましょう。

 そして、聞きにくいことを聞くとき、伝えにくいことを伝える時は「間」をおかずに声掛けを。その際“あっさり、さっぱり、でもきっちりと”を心がけます。

 まずはK子さんご自身が、健全な自己肯定感を育てることも大切です。先ほど「自己肯定感が低かったり…」と申しましたが、正確に言うと「自己肯定感」には高いも低いもありません。自己肯定感は自分の良いところを認めるということではなく、K子さんが自分の長所も短所も、等身大の自分を受け止めることができるということなのです。

 等身大の自分を受け入れることができれば、相手がどんな状態であってもゆとりと安定感のあるニュートラルな対応ができるようになると思います。

 人はいくつになっても成長することが可能です。福祉の仕事は自分を成長させてくれます。そして成長することによってさらに良い支援が展開できるという好循環の魅力的な仕事です。K子さんの今後に期待しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.178
発行日:2019年12月27日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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