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VOL.175
2019. 9月27日

WAIWAIBOX

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職場での「1+1」は??

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘




<安藤亘の1分間カウンセリング 1年9月>


Q.比較的大きな社会福祉法人の保育園で中間管理職(主任)をしています。うちの園では年齢も経験年数も異なる立場の常勤・非常勤職員同士が働いています。非常勤でも長く勤めていて何かと気が利く職員もいますし、正規職員でもその場の空気を読んで臨機応変な対応ができず、すぐに保護者からのクレームになってしまう職員もいるため、職場の人間関係が微妙です。同じ職員同士。助け合うことは難しいのでしょうか。
(H子:45歳)


A.そうですね。ひとりで完結する仕事はありませんから、常勤非常勤問わず、互いに“違いや特性(長所・短所)”を尊重し、上手く補完し合える関係性があれば、1+1が2.5や3に。


 逆に互いの違いが許せず「普通こうでしょう」「わざわざ言わせないで。言わずにわかってよ」といった相手への期待や甘えが常態化していれば、1+1が1.5や1.2になってしまいます。


 ではどうしたら1+1を2.5や3にできるでしょう。車に例えるならば、4本のタイヤが別々の方向を向いている状態で、一気にアクセルを踏み込めば車は壊れてしまいます。組織ですから、その運営(真っすぐ進んでいけるかどうか)は、それぞれの機能や役割は異なるものの同じ方向を向いているかどうかにかかっています。


 管理職が研修に出向いて、先進的と思われる取り組みをしている実践事例に感激し、そのやり方だけを無理やり自分の法人運営に取り入れようとしても難しいでしょう。


 さながら、政府が「NO!残業」の旗を振っても、厳然とその目の前に長年かかって形成したお客様とのリレーションや関係性があれば、すぐに仕事のやり方を変えるのは難しいかもしれません。


 人間関係も同じこと。今の状態にあるのは必然で、長年かけて創りあげられてきた文化です。それを変えていくためには深いところでの本質を職員全員で共有し、時間をかけて浸透させていくしかありません。
 
 H子さんは上からも下からも期待される中間管理職。活躍の場はかなりあるのではないでしょうか。


 ただし抱え込みは禁物。ひとりで抱え込まず、いろんな人に相談し、味方(H子さんと同じように職場の改善・見直しに本気で向き合おうとする職員)を増やしていくところから始めてみては。


 応援しております。




ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.175
発行日:2019年9月27日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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