「人」は「人」によって…
<安藤亘の1分間カウンセリング 1年8月>
Q.私は現在、ある法人で介護職として働いています。新しい施設の立ち上げのバタバタに巻き込まれ1年経ち、ようやく今年7月から新しいスタートを切りました。立ち上げまでの1年間は、人間関係がギスギスし、人間関係に疲れてしまいました。誰もいない所で暮らしたいと思う日々です。
(G子:45歳)
A.無理は承知で頑張ってきたG子さん。ひと山越えた今だからこそ疲れが出てきているのでしょうね。
唐突ですが、ここで質問です。G子さんが欲しい物(例えば高級住宅、高級品、ブランド品、高級フレンチ・中華・イタリアン等)を想像してみて下さい。想像できましたか?では、それらすべて差し上げます。でも、今後生涯電波も届かない無人島で暮らすことが条件としたらどうでしょう。
いくら効果・高級なものを得ても食べても嬉しくないでしょう。それは何故か。人は人との間でしか喜びを分かち合えない、幸せを感じることができない生き物だからです。
つまり人間関係に悩むのは自然なこと。
人間(に近い動物、サル等)は、脳が大きいので非常に未熟な状態で生まれてきます。そのまま放っておかれれば死んでしまいます。そのため、種を守るために「社会」を形成するようになりました。動物園でもサル山ってありますよね。単体では飼いません。社会とつながっていたいという本能があるからです。逆に社会との繋がりがない状態は死を意味しますので、精神的に不安定になります。
日本は戦後どの都市もおしなべて同じように都会化されてしまいました。そして日本に限らず、世界中の都市は同じルール(暗黙の了解)があります。それは「他人にあまり干渉しない」というルールです。
つまり都市に暮らす人たちは、どこか人と繋がっているという感覚に乏しく、常にどことなく寂しい、どこかで誰かと常に繋がっていたいという感覚を持つようになります。
それが衣食住と関係ない(生きるための必需品ではない)スマートフォン(SNS:LINEやFacebook)の世界的な流行を生み出しました。
人は人によって傷つき、人によってしか癒されえないとも言います。今は時間をかけて心身の疲れを癒す時。G子さんが少しずつ日常を取り戻して行かれること、応援しています。