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VOL.172
2019. 6月28日

WAIWAIBOX

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自分が資本の仕事です

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 1年6月>

Q.ある社会福祉法人で介護職員をしています。先日先輩職員から、「そんな仕事の仕方では、バーンアウトしてしまうよ」と指摘されました。確かに私は仕事に対して完璧主義で、仕事以外でも相手を優先し、いつも自分のことは後回しに。最近なんだか生活に張りがなく、元気が出ません。バーンアウトは防げますか?
(E子:39歳)

A.「燃えつき症候群(バーンアウトシンドローム:Burnout Syndrome)」という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。アメリカの精神科医フロイデンバーガーによって提唱されました。実現が難しい目標を掲げ、それを達成するために無理な努力をし、身体・精神がともに疲弊し、それでもなおそれに気づかず、最終的には意欲低下、無気力、自責感が強く抑うつ気分に至ることをいいます。

 E子さんのように頑張り屋さんである人ほど就職してから数年以内に仕事を辞めてしまうといった現象が多く報告されており、日本においては福祉・医療系の従事者に多い現象です。純粋に人の役に立ちたい、人のために力になりたいという人に出現頻度が高いといわれています。

 しかも、福祉・医療系の職場では、ちょっとしたミスはマイナス評価につながりますし「仕事だからできてあたりまえ」という価値観のもと自分がどんなに疲れ大変な時であっても、目の前の利用者さん(患者さん)に「顔で笑って心で泣いて…」と、どこかで無理をしている方も多いのではないでしょうか。「そんな自分を変えたい」「今の閉塞感や生きづらさを軽減したい」と思う方も多いと思います。

 それにはまず、今の(ストレスをため込みやすい)自分自身の傾向や特徴に気づいてみましょう。「気づき」がなければ「変化」はありませんから。

 E子さんは、迷ったら自分を優先するくらいが丁度よいのでは。そして忙しい時ほど熱いお茶を飲む。熱いお茶はすぐに飲み干せませんし、チビリチビリ飲みながら身体を温め、リラックスさせます。そして「あ〜」とか「ふ〜」とか「は〜」とか声を出しながら息を吐いてみましょう。息を大きく吐けば自然と大きく吸い込みます。つまり、深呼吸。

 自分が資本の仕事です。まずは自分を大切にしながら良い仕事を展開されますように。応援しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.172
発行日:2019年6月28日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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