職場の「習慣」にメスを
<安藤亘の1分間カウンセリング 1年5月>
Q.ある法人の訪問介護ステーションに勤務していますが、慢性的な人手不足が続いています。そのためか、現在私の職場は人間関係が最悪で、一部ですが横柄で理不尽な職員のせいで職場の雰囲気が悪くなっています。結果、事務所にいるよりも仕事をしているときの方が気が楽で“仕事が息抜き”といった変な状況になっています。どうしたらよいでしょうか。
(D子:39歳)
A.人間関係が悪いから良い人材が定着しないのか、人手不足により人間関係が悪化したのか。これはもう「ニワトリと卵」ですね。
ここでヒントです。職場の人間関係というのは、誰か一人が悪者というわけではありません。
職場の人間関係を改善していくためには、今の慢性的な状況を常態化させている、その「構造」を理解することが何より大切で、その構造に切り込むことができるかどうかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。
D子さんは、朝起きたらまず何をしますか。そしてコンビニでどんな飲み物を買い、仕事に行き、帰ってきてポストの郵便物を確認し、家に入って手を洗い、それから何をするでしょう。
おそらく人によってやることや順番は異なると思いますが、大抵の人は日々の行動がパターン化され、毎日同じようなことをしているはずです。そしてこの行動パターンのことを一般的に「習慣」と言います。
D子さんの人生を影からコントロールし、支配していたのは習慣。習慣とは「何度も反復することでほとんど意識しないで行われるようになった後天的に習得されたパターン」と説明されます。そして習慣によって人は創られ、その習慣を創り出すのもまたその人です。
職場の人間関係も同じと言えるでしょう。端的に申しますと、場を作っているのは職員一人ひとり。横柄で理不尽な上司や同僚の周りには、それを長年許してきてしまっていた周囲の無数の傍観者がいるはず。
裏で悪口を言うくらいなら、どうしたら生き生きと働く環境や空気を醸成していくことができるか皆で真剣に考え、話し合ってみましょう。
D子さんの未来は、受身から主体へ転換した時から一変していくことでしょう。応援しています。