これでいいのか?
<安藤亘の1分間カウンセリング 30年12月>
Q.長く障害者福祉の現場(入所施設)で介護職員として働いてきました。昨年度末多くの先輩たちが定年を迎え、年の功で今年度から部門リーダーとなりました。職責だけは重くなりましたが、私自身何も変わっていません。自分に対して「これでいいのか?」と思う日々です。部門のリーダーとして、チームメンバーに対する対応の際の気構え、心構え等はありますか。こんなことを聴くのは恥ずかしいのですが、ヒントだけでもお願いします。
(X美:46歳)
A. X美さんは謙虚な方ですね。リーダーとなったからには、リーダーとして部下職員の尊敬に値する品格や立ち振る舞いがあるのでは、というご相談と受け止めました。
職歴が長くなると目の前の仕事(利用者支援)だけ一生懸命行えば良いということではなく徐々にチームメンバーのため、組織のため、地域のため、と視野や対象範囲を広げなくてはいけなくなってきますね。
では、参考までにリーダーの部下職員(チームメンバー)への対応として、大切なポイントと思われることを以下3点、お伝え致します。
1.評論家にならない:見守り、待つということ
手は出さず、口だけ出すのは職員のモチベーションを最も下げる行為。職員とのコミュニケーションを密にして関係づくりを図り、本人に任せて待つ、見守ることも大切。リーダーがゆとりある対応で部下職員の話に真摯に耳を傾け、気持ちに寄り添い、時に素直に謝る、感謝することで職場の環境は確実に良くなります。
2.血管を詰まらせない:循環を滞らせず末端の血管に健康な血液を
その組織全体の健康度合いを測るには、その組織で一番立場の弱い職員が、生きいきと仕事をしているかどうかだけを見ればわかるといいます。またコミュニケーションは、人間の身体で例えると「血液や血管」にあたるもの。日頃からフットワーク軽く、さりげない声掛けを行って、孤立した職員をつくらないよう職場のコミュニケーションに工夫をはかりましょう。
3.「ソリューション・フォーカス」が職員の主体性を育む
「何でミスしたんだ」と部下職員のミスの原因を追究・指摘してもできるようにはなりません。「どうしたらミスしなくなるかな。一緒に考えよう」と、これからどうするか一緒に考える“ソリューション・フォーカス”を意識することを心掛けましょう。
職場での立場が変わるとこれまで上司に要望をぶつけ、訴えていた立場から、今度は逆に要望をぶつけられる立場になりますから、かなりストレスの多いことと思います。X美さんも日々「これでいいのか?」と自問自答されていらっしゃることでしょう。
でも、自分を大切にできるのはつまるところ自分だけ。天才バカボンのパパの言葉「これでいいのだ!」を胸に、日々自分らしく良い仕事を展開されていかれて下さいね。
応援しています。