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VOL.164
2018. 10月26日

WAIWAIBOX

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自分が輝く選択を

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 30年10月>

Q.先月ホームヘルパーとして訪問介護事業所に登録したばかりの、まだ駆け出しです。先日ニュースで、平成30年度介護職の労働組合による8万人のアンケートで「被介護者からのハラスメントを受けたことがある」と回答した人は全体の74.2%。介護者は相手がお客様のため不条理を感じつつも注意できず困っていると報道していました。このままでは介護者のなり手がいなくなってしまいます。実際私自身ご利用者からのハラスメント行為に悩んでいます…
(V子:22歳)

A.ハラスメントの対応の基本は「しない、されない(させない)、許さない」です。V子さんのように自分にとって不快な状況が長続きしている場合、その背景には問題をひとりで抱え込んでしまっている状態が必ずあります。

 そもそも仕事とは、契約に基づいて行う行為ですから、仕事の範囲、つまり「して良いこと」や「してはいけないこと」それと同様「されて良いこと」「される必要のないこと」が必然的にあるわけです。

 そのため今回のような悩みは事業所(組織)全体で考える問題です。

 事業所内で様々な困難案件の対応について勉強会を開いてはいかがでしょうか。持ち回りで自分が気になること、仕事の悩み等を自由に発言し、皆で一緒に考える。

 ヘルパー経験豊富な先輩職員ならば、上手なかわし方、対応の仕方、ノウハウをお持ちの方が必ずいらっしゃいます。

 また、近い領域(看護学)から学ぶのも良いかもしれません。私の知人(看護師さん)に聞いてみたのですが、看護学生の頃に先生から、まずは現場でセクハラ行為は必ずあるものと思って「スキは見せない」とか、上手なかわし方(触れられそうになったら「はいはい」と言って握手にしてしまう)等、患者さんからのハラスメント行為への対応についてレクチャーがあったとのこと。

 とはいえ頭でわかっていてもその場ではなかなかできないもの。実際に疑似場面を設定し ロールプレイ等練習をしておくと自分に合った言い方・対応の仕方が身に付き、実際の場面で実践しやすいと思います。

 すべて対応・努力しても改善が難しければ、最終的には担当を対応の上手い人や男性に変えていただく必要があるかもしれません。

 我慢して嫌な状況を続けるか、仕事しやすい環境を整えるために勇気を持って一歩踏み出すか。V子さんの選択にかかっています。

 人生は自己選択・自己決定の連続です。そして、それがV子さんの未来を、「自分らしさ」を形成していきます。

 福祉現場の仕事にプライドを持ちながら、本来のホームヘルパーの仕事を長く続け、仕事内容は勿論のこと、人としての自分自身に磨きをかけながら素敵なヘルパーさんに成長されていかれてくださいね。

 応援しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.164
発行日:2018年10月26日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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