課題を「縦」に整理し見える化しましょう
<安藤亘の1分間カウンセリング 29年10月>
Q.ある高齢者入所施設で副主任をしています。夫と中3の息子との3人暮らしです。私は何でもきちんとしないと気が済まず、家事や仕事を抱え込んでしまいます。そのため家庭や職場でやらないといけないことが多くなると何から手を付けたらよいかわからずパニックに。もっと心にゆとりある生活をするにはどうしたらよいでしょうか。
(J子:41歳)
A. 福祉の仕事は何か物を売る仕事とは異なり「結果」だけでなく「過程」そのものが大切ですよね。そして結果は後からついてくる。その過程で手が抜けないからこそ(大変ですが)奥が深く終わりのない、魅力的な仕事と思います。
J子さんの年代は、おそらく仕事でも上司や後輩から頼りにされ、家庭でも家事や育児の多くを担って大忙しの日々を送っていらっしゃると思います。おそらく自分自身のケアにまでは手が回らず、自分が一番後回しになってしまっているのではないでしょうか。
そうした状況をすぐに変えるのは難しくても、工夫できることはまだまだたくさんあると思いますよ。
今のJ子さんの状況を、上司や夫はご存知なのでしょうか。もし正しく把握していないのであれば、わかりやすく上司や夫に伝えてみましょう。抱え込まず、少しでも大変さをわかって(共有して)もらう。それだけでも心のストレスは軽くなるはずです。
また一度に片付けようとせず、課題を「横」でなく「縦」にならべてみるのも効果的です。やらなければいけない仕事(家事)を横に並べてしまうと全部目に入ってきますので、一度に片付けないといけないような気がして途方に暮れることでしょう。
どんな剣豪も、敵に周囲を囲まれ同時に刀で切り付けられれば勝ち目はありません。しかし人が一人しか通れない狭い路地に逃げ込み、前から襲ってくる敵を、一人ずつやっつけることは可能です。
一つずつ片付けなければならない順番に番号をつけ、縦に箇条書きにしてみましょう。
J子さんが優先順位を付けるのが苦手ならば、職場では「上司」、家庭では「夫」に協力を求め優先順位を付けてもらい、さらに今日やらなくて良いものは削っていただきましょう。
このやり方を実践してみると、J子さんの身近な人に“こんなに仕事(家事)を抱えていたのか”という気付きを促すことにもなりますし、箇条書きの中からできることを手伝ってくれるかもしれません。
まずは実践。J子さんのゆとりある生活の実現、期待しています。