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VOL.144
2017. 2月8日

WAIWAIBOX

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一緒に成長できる方法を

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 29年2月>

Q.知的障害者の入所施設で働いています。忙しく人出も足らない中、何度伝えても同じミスを繰り返す後輩の指導に頭を抱えています。
 その職員は「わかりました」と返事だけは良いのですが何度伝えても同じミスを繰り返すため仕事が思うように進みません。
 先日も同じことを聞いてきたため、つい「この前教えたよな」と吐き捨てるように言ってしまいました。今後どうしたら失敗しないように、その後輩をどう指導すれば良いのでしょうか。
(B男:33歳)

A.B男さんは責任感が強く、目標に沿って計画的に仕事のできる人とお見受けしました。しかし、その後輩職員の方は、むしろ性格が逆、つまり白黒はっきりするのが苦手なタイプでおっとり型。若干自主性に乏しい面があるのかもしれませんね。
 
 職場の人間関係の本質は“合う合わない”“好き嫌い”ではなく、コミュニケーションパターン(性質やタイプ)の違いからきていることがほとんどです。

 とはいえ、同じ職場で協働してある成果を出していく場合、目標を決め、役割を分担して同じ方向を向く必要がありますよね。タイヤの向きがバラバラの車は真っ直ぐ進まないどころか、思い切りアクセルを踏み込めば、その車は発信することなく壊れてしまいます。

 多くの場合、職場での指導は問題指摘から始まります。「何でそんなやり方をするんだ」「そんな仕方ではダメだろ」そう伝えても、相手は次第に「またダメだしだ」と捉えて素直に聞く耳をもたなくなっていくでしょう。

 そして相手のミスを指摘したりしてもミスはなくなりません。「どうしたらミスしなくなるかな」と、“これからどうするか(改善策)”を一緒に考えることが何より大事なことです。

 つまり「ソリューション・フォーカス」を意識しましょう。ソリューション(問題解決)にフォーカス(焦点)を絞ることによって、その後輩は先輩職員を同じ目線で主体的に考え、創意工夫のできる職員へと成長していく可能性が大きいのです。

 「ミスの多い職員」とレッテルを貼ってしまうと、それ以外の部分が見えにくくなってしまいます。元々できる職員でないからこそ、伸びしろは無限大です。そう捉え直してみましょう。先輩として工夫できることはまだまだたくさんあるのではないでしょうか。

 どちらか一方だけが成長し続けるということはありません。先輩が成長すれば、後輩も成長していきます。ちょっと立ち止まって自分と周囲の関係や、これまでの指導の仕方を振り返ってみませんか。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.144
発行日:2017年2月8日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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