自分の気持ちを真っ直ぐに
<安藤亘の1分間カウンセリング 29年1月>
Q.特別養護老人ホームで介護の仕事をしています。職員はいつもセカセカと忙しそうに働いています。私の悩みは職場の人間関係です。先輩がちょっとしたことで怒ったり、仕事のやり方を押し付けてきたり。そうかと思うとわからないことを聞いても「この前教えたよね」と教えてくれなかったり、教えてくれてもため息をついて面倒くさそうに教えたりします。聞かないといけないようなことも、最近は先輩の顔色を見て聞けずに済ませてしまうことも。どうしたらよいでしょうか。
(A子:27歳)
A.文面や行間から、A子さんの争いごとが嫌いで、きちんと相手の空気を読むことのできる人柄を感じました。
ひと昔前に「KY(ケーワイ)」という言葉が流行りましたよね。Kは「(その場の)空気」の“K”で、Yは「読めない」の“Y”です。
A子さんは真逆ですね。相手の状況や感情(心の状態)を敏感に察知し感じ取ることのできる能力が高いのです。
医療や福祉の現場では、そうした言葉にならない相手のニーズを感じ取るセンスが求められます。そのような意味では、A子さんは普段から自分の才能(センス)を生かすことのできる仕事を選んだといえます。
しかし、そうした仕事の場面では生かすことのできる長所も行き過ぎると短所になることがあります。つまり忙しそうにしている先輩職員に、タイミングよくわからないことを聞くことができなくなってしまうのです、相手の空気を読みすぎるあまり、迷惑ではないか、仕事の邪魔をしてしまうのではないかと気後れし、質問できないでいるか、質問しても小さな声で申し訳なさそうにしているのでは。
とはいえ、福祉現場で暇そうにしている人を探すのも難しいかも。キビキビと忙しく働いている先輩職員に対してオドオド小さな声で、遠回しな言い方をすると「あなたは何が言いたいの!」と、先輩のイライラを誘発してしまうきっかけになっていることもあるのではないでしょうか。
そんな時ほど”良い仕事をしたい“”経験豊富な先輩に教えていただき、少しでも仕事の質を高めたい“という自分自身の気持ちを意識して、勇気をもって一歩踏み出してみましょう。堂々と明るく質問する後輩に対しては、人に寛容になりやすいものです。
そして上手く言えなくても、たどたどしくても構いません。肝心なのは、あなたが自分の気持ちに素直になって、その気持ちを相手に何とか一生懸命伝えようとすることが大切です。
現場で小さな成功体験を積み重ねていくことで、少しずつ本当の「自信」をつけていかれて下さいね。応援しています。