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VOL.142
2016. 12月7日

WAIWAIBOX

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自分自身のタイムマネジメントを

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 28年12月>

Q.障害者施設で管理者をしています。自分自身もそうですが、部下に対して上手い時間の使い方を伝えることができません。
 部下をみていても、仕事の優先順位や緊急度の判断が上手くいかない職員は、長時間の残業になっています。どのようにしたら良いでしょうか。
(Z男:43歳)

A.ひとことで言うと「タイムマネジメント」の仕方ということですね。タイムマネジメントについては、日本では小中高の教育の過程で特別学ぶ機会がないので、独自に書籍やセミナー等で学んだり、経験上自分のやり方で行ったりしているのではないでしょうか。

 一方欧米諸国をみてみますと、高校大学の授業の中は勿論、小中学校の授業の中でもマネー教育(資産の運用方法)やタイムマネジメントが導入されている学校も多くあります。
 
 しかし、「タイムマネジメント」は単なる「時間管理」ではありません。時間管理は、時間を効率的に使うためだけの技術や道具にすぎません。時間をどんなに効率的に使っても、それだけでは人生の質は高まらないのです。

 本質的な「タイムマネジメント」とは、まず心にゆとりをもち、人生を豊かにするために生活(仕事)をコントロールするということです。では実際、具体的にどのようにすれば良いでしょうか。

 それには、まず自分自身の価値観(人生における優先順位)において、いちばん大切なものは何かを明確にするところから始まります。つまり仕事であれば「何のために」「何を大切にして」働いているのかを明確にするということです。

 そして明確になったら、その大切なものに優先順位をつけましょう。

 自分ひとりではなかなか難しいことも多いので、身近で上手に話を聴いてくれる人をみつけましょう。キャリアカウンセラー等専門家の力を借りるのも賢いやり方と思います。

 ここまでくると、もうおわかりですね。「上手い時間の使い方」は、自分の生き方を反映しています。そのため、時間を管理することそれ自体が目的化するものではありません。

 Z男さん自身がどう生きていきたいのか。それがわかれば人生(もしくは仕事上)で分かれ道が生じても、自分の価値観と照らして進む道を選ぶことはたやすいことでしょう。

 そしてまずは管理者であるZ男さん自身が実践し、そのうえで他の職員にも影響の輪を広げていきたいと思えば、断固とした意思を貫くことも時には必要かもしれません。
 
 まずは人生において、そして仕事において自分が大切にしたいことは何かを考えるところから始めてみませんか。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.142
発行日:2016年12月7日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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