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VOL.140
2016. 10月5日

WAIWAIBOX

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「自分自身」も大切に

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 28年10月>

Q.高齢者施設で介護職をしています。私は小さい頃から世話焼きタイプで、気が付くと福祉の仕事に就いていました。人からよく真面目すぎると言われます。しかし最近誰かの世話をすることに疲れてきました。近頃の福祉はご利用者もお客様意識が高く、ひどいことを言われ心が折れそうになる時も。家庭でも夫と小学生の息子の世話に日々疲れます。
 特に連続勤務の最終日で疲れがたまっていて、体調が良くない時、それでも一生懸命に仕事をしても言われてしまうと正直ガクッときます。どうしたら強い自分になれますか。
(X子:38歳)

A.文面や行間から、X子さんの控え目で穏やかな人柄を感じました。「どうしたら強い自分になれますか」というご質問で締めくくられた文面ですが、自分にゆとりがなくても、疲れていても、もっと強くなってこの局面を乗り切ろうという内に秘めた闘志を感じました。X子さんは、既に心の奥底に「しなやかな“強さ”」をお持ちなのでは。

 これ以上強くなると、スーパーウーマンです。もはや人間の域を越えてしましますよ。

 X子さんは、職場では、頼りにされる存在なのではないでしょうか。辛くてもあまりそれを他者には見せずに、仕事を抱え込んで自分で最後までこなそうとする人のところに仕事は集まってきます。そしていやな顔をせず一生懸命なX子さんは、家庭でも仕事でも、やってあたりまえになってはいないでしょうか。他者のケアを行っている人は、自分のケアが後回し、いちばん最後になっていることが多いのです。

 高齢者福祉の仕事はご利用者の人生の大事な最終局面で、自分らしい質の高い生活を送って頂くためにありますよね。

 でも、それをひとりでは実現することは不可能です。だからこそ、色々な職種の方々が連携し、役割分担してみんなでそれを実現しようとするわけです。

 ひとりで抱え込まず、周囲に目を向けてみましょう。お互いに大変なときは連携してフォローし合う。それが福祉のチームプレーです。お互いに支え合う文化を職場の中に創っていきませんか。

 今はひとりで頑張る時ではなく、むしろ職場のために弱音を吐いたり、他者にSOSを発信したりする時。

ご利用者様に「自分らしい」人生を送っていただくためのサービスを提供していく一番の近道は、何よりX子さん自身が自分らしく生きる事(自分らしく生きて良いんだと気づくこと)が大切なのではないでしょうか。


ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.140
発行日:2016年10月5日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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