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VOL.137
2016. 7月6日

WAIWAIBOX

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イライラは自分を深く理解するためのヒント

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 28年7月>

Q.介護の仕事をしています。現場は日々バタバタで、職員同士協力しないと早く終わらないことも多いのに、のんびりマイペースな若手職員が多くイライラします。
私も「皆で協力して早く終わらせようよ」とか、「もう少し周囲の状況や時間を意識して仕事してね」と言いたいのですが、言えずにムスッとして、一人で黙々と仕事をしてしまう日々です。
(U子:39歳)

A.人に見せたくない感情ってありますよね。たとえば「怒り」。できればいい人だと思われたい。日本人は(外国と比較すると)特にそうした気持ちが強い人が多いようです。

 小さなイライラ(感情の波)を溜め込むと、結果大きなうねりとなって、いつか他者(自分よりも弱い人間)に大爆発してしまいます。

 爆発しないように我慢しすぎると、いつか心の病(うつ病等)になったりして、溜まった感情は自分の内側から自分を苦しめ悪さをします。

 U子さんのお気持ちはわかりますが、表面的に「いい人」でいると、そのうち「どうでもいい人」になってしまいますよ。

 「怒る」ことは悪いことではありません。U子さんが大事にしていることを安易に踏みにじる人がいたら、怒って良いんですよ。むしろ、きちんと怒って(意思表示)して下さいね。

 とはいえ長い時間をかけて形成された関係性や自分の立ち位置、役割といったコミュニケーションパターンを、すぐに変えるのは無理があります。

 相手との関係性を変えるには、自分が少しずつ変わっていくしかありません。

 イライラした時、何故イライラしているのか少し立ち止まって自分の気持ちと向き合い観察してみてください。

 イライラの分析は、自己洞察を深め、自分が成長する機会となる可能性を秘めています。“こうあるべき”といった自分の特徴(考え方や価値観、思い込み等)に気付くヒントになるのです。

 たとえば「相手に“本当はこうしてほしい”と期待しているにも関わらず、それを言葉にはせず、言わずにわかってもらいたい」と思ってはいないでしょうか。はたまた「自分のペースは常に守られ、周囲がそれに合わせるべきだ」という相手に対する勝手な期待が強すぎないでしょうか。

 自分の価値観に気付けばイライラすることは減っていき、怒りそのものが生じにくくなります。

 イライラ(怒りの感情)は自分を深く理解するためのヒントであることを意識し、U子さんの今度の自己成長に生かしてみてくださいね。

 応援しています。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.137
発行日:2016年7月6日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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