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VOL.132
2016. 5月18日

WAIWAIBOX

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迷ったらまず行動すべし

イラスト

ビヨンドザボーダー(株)/メンタルヘルス講習会専任講師
社会福祉士・精神保健福祉士 安藤 亘

<安藤亘の1分間カウンセリング 28年5月>

Q.現在特別養護老人ホームに勤務しています。独身の頃は保険会社に勤務していましたが、結婚して子どもが生まれ夫の職場に近いところ(夫の実家の近く)に引越して、現在の福祉施設に転職しました。どこか納得していなかったのかもしれません。転職してから仕事でミスをすると気持ちが後ろ向きになり、その失敗を思い出していつまでもクヨクヨ引きずってしまいます。休日に友人とランチする約束も、何だか気が重くなり直前に断った後に、やっぱり行けばよかったかな、と家で悶々としています。どうしたら前向きな気持ちになれますか。
(S子:30歳)

A.S子さんは「どうしたら前向きになれますか」とおっしゃいますが、私は文面から、とても前向きな空気を感じました。

 もし「もっとこうなりたい」という目標がなければ(どうでもよいので)日々流され、悩みもありません。

 人はそうした気持ちと行動が不一致な時ほどモヤモヤや葛藤を生じます。気持ちでは「こうありたい」、でも「できない」からこそ人の悩みは深くなります。

 そして人の「気持ち」が「行動」に影響を与えます。嬉しいことがあると意識が外に向かいやすくなります。身体も軽やかに、ポジティブで行動的になります。

 逆に嫌なこと、気がかりなこと、不安な要素や葛藤があると人は意識が内側に向かい、ネガティブな気持ちに引っ張られて行動を抑圧しがちになります。友だちとの付き合いを避けたり、休みの日は家の中に閉じこもったり。考え込んでもどうにもならないのに、立ち止まり、うずくまって「悩む」という状況に陥りやすくなります。

 人は気持ちに意識を向けるとその部分が拡大していくという「思考原則」があります。つまり嫌なこと、何となく不安なことに意識を向けるとその部分がどんどん拡大していきます。失敗した事など嫌な事を思い出すと、どんどん嫌な気持ちが大きくなってしまいます。精神的エネルギーもかなり消耗します。

 少しその捉われている対象から離れて、状況を広角で(俯瞰して)眺めてみましょう。まさに鳥瞰図(Bird‘s−eye view)のように。

 気持ちが回復してから行動するのではなく、まず行動することで気持ちを回復させていくイメージです。

 一歩外に出て散歩したり、友だちといろいろおしゃべりしたりするのも良いでしょう。

 すると不思議なことに、自分が悩んでいること、引きずっていることが些細で小さなことに見えてくるはずです。

 最後にS子さんへのアドバイス。断る理由を探さずに、まずは友だちとランチに行ってくださいね。
まさに“迷ったらまず行動すべし”それが気持ちを持ち上げていくための呪文です。

 ぜひ試してみて下さい。

ソウェルクラブ秋田事務局

広報「ひろがれソウェル秋田」 vol.132
発行日:2016年5月18日
発行:ソウェルクラブ秋田事務局
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