輝く自分でいたい
<安藤亘の1分間カウンセリング 28年4月>
Q.ある法人の知的障害者通所サービス部門で働いています。小学生と中学生の元気でやんちゃ盛りの子供を持つ二児の母です。仕事・子育て・家事、毎日忙しくあっという間に過ぎていきます。
私は気に病むタイプと申しますか、先のことを考えて不安になるタイプです。以前は桜の花をみると「素敵!」と感じられたのに、今年はあまり素敵と感じなくて、最近気がつくと何だか全て面倒くさくて仕事も家事も「こなして」いるだけのように思えて自己嫌悪の毎日です。もっと生きいきとした自分でいたいのですが。(Rさん:40歳)
A.家事や子育て、そして仕事。妻として、母として、職業人として張り詰めた毎日、日々戦いですね。本当にお疲れさまです。
そんな時、見失いそうなのが一人の人(自分)としての視点。R子さんのように仕事や家事、子育てを優先していると、知らず知らずのうちに自分のことが一番後回しになっているのではないでしょうか。
特に福祉の仕事は、人をケアする仕事(サービス業)です。しかも、そのサービスの源泉は自分自身。つまり自然と笑顔のこぼれる心のゆとりや心身の健康が何より大切です。
R子さんは、もしかするとご家族や仕事で出会うご利用者等、R子さんと接する周囲の人たちを幸せにしようと思って日々孤軍奮闘されているのではないでしょうか。
でも、どんなに頑張っても結局身体はひとつ。自分をないがしろ(後回し)にしていれば、結果「人を幸せにしたい」という気持ちはあっても必然的に限界があって、その影響の輪は広がっていきません。なぜなら人を幸せにしたいという気持ちの根源(中心)となる「自分」が枯渇してしまっているから。
家族のため、仕事のためと自分以外の他者をケアすることが多い人は、セルフ(自分の)ケアを怠りなく。自分が満たされていてゆとりがあれば、自然と愛情から行うことができます。しかし、ゆとりがなくなってくると同じことをしていても義務感や恐怖感、不安感から行うことに。次第にやる気も失せてきます。
そして、結果を完全にコントロールすることは不可能。人は「起こったことに対処していく生きもの」です。
どんなに先のことを考え、最悪のシナリオをイメージし、そうならないように入念に準備しても、現実は予想通りに運ばないこともあります。相手のある(対人の)仕事であればなおさら想定外が生じることの方が多いはずです。
では、どんな心もちでいれば良いのか。R子さんの身近には、よいお手本がいらっしゃるのではないでしょうか。二人のお子さんです。子供は「今」を生きています。だから元気に生きいきとしているのです。
不確実な先のことを考えてエネルギーを費やしてしまわず“なるようになるさ”精神で、今この時を充実させ、楽しむ。そうすることで、しばらく麻痺させてしまっていた生きいきした感情が芽生え、自然と笑顔が増えると思いますよ。
応援しています。